SMS(ショートメール)は、電話番号宛に短いテキストをやり取りできるサービスです。キャリアによらず使えて開封率や到達率が高いことから、ビジネス用途で取り入れる企業が増えています。

この記事では、SMSの特徴やメールとの違い、送受信の仕組みなど基本的な知識からビジネスシーンでの活用例まで詳しく紹介します。

SMSをビジネス用に導入する際に気をつけるべき注意点も解説するので、自社のマーケティングやブランディングに向けたSMS活用を検討している方はぜひお役立てください。

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1 SMS(ショートメール)とは何か?

SMSとは、「Short Message Service(ショート・メッセージ・サービス)」の略で、電話番号を使ってメッセージを送受信できるサービスです。携帯電話の標準機能として搭載されており、アプリのダウンロード不要で始められます。

ドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアだけでなく、格安SIMにも対応しています。また、iPhoneやAndroidなどのスマホはもちろん、ガラケーでも利用可能です。

なお、SMSと混同されやすいものに「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」があります。SNSとはインスタグラムやFacebookなどの会員制ネットワーキングツールのことで、SMSとは完全に別ものです。

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2 SMSの3つの特徴

SMSは、電話番号を使ってメッセージをやり取りできること以外にも特徴があります。SMSを上手に活用できれば、相手との信頼関係の構築や情報収集に役立つでしょう。ここでは、SMSの主な3つの特徴について解説します。

2-1 電話番号がわかればメッセージのやり取りができる

SMSは、携帯電話番号さえわかればメッセージの送受信が可能です。EメールやMMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)の場合、相手のアドレスを知らないと送信できませんが、SMSは電話番号を知っている相手にテキストを送信できます。

また、SMSは電話回線を使用するため、パケット通信料とは別に利用料金が発生します。料金体系はキャリアによって異なりますが、原則として文字数に比例して金額は上がります。

2-2 携帯電話・スマホに標準搭載されている

SMSは、スマホやガラケーに標準搭載されているため、特別な設定不要で使い始めることが可能です。LINEのようなアプリは、スマホアプリをダウンロードしてアカウントを設定する必要がありますが、SMSならすぐに電話番号宛にやり取りできます。

格安SIMの場合、SIMの種類によってはSMSが利用できないので注意が必要です。格安SIMにはデータ通信と通話ができる「音声通話機能付きSIM」とデータ通信のみの「データ通信専用SIM」の2種類があります。

音声通話SIMではおおむねSMSを利用できますが、データSIMの場合SMS機能付きプランやオプションが必要になるため、事前に確認しましょう。

2-3 開封率が高い

SMSがビジネスシーンで注目されている理由として、開封率や到達率の高さがあります。一般的なメールマガジンは、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性があるだけでなく、メールアドレスは変更や削除しやすく、届かない場合も考えられます。

一方、SMSはデフォルトで通知機能がONになっており、受信すると相手の画面にポップアップが表示されます。SNSの浸透もあり、プッシュ通知をONにするケースが当たり前となった現在、受信とほぼ同時にポップアップ画面が表示されるSMSを瞬時に確認する人も増えています。

このようにSMSは開封率が高く、特定の相手に確実に届けられることから、企業や自治体でもSMSの導入事例が増えています。実際に、弊社のSMS送信サービス「絶対リーチ!SMS」では、到達率約99.9%という極めて高い数値が出ており、ビジネスにおける応用の効果が期待できるでしょう。

3 SMSとメールとの違い

SMSとメールには、宛先や文字数などさまざまな違いがあります。主な違いは以下表の通りです。

SMSメール
宛先電話番号メールアドレス
通信方法電話回線データ通信回線
料金体系1回3〜33円前後(*1)パケット通信量に含まれる
最大文字数全角670文字(*2)原則上限なし
添付ファイル不可

*1:キャリアにより異なる
*2:一部機種では全角70文字まで

SMSの受信は無料ですが、送信は通話と同様に料金が別途発生し、文字数に比例して料金が上がる仕組みです。メールはインターネット回線を利用するため、パケット定額制の場合は料金内に含まれており、別途料金はかかりません。

また、SMSでは送受信できる最大文字数が決まっていますが、メールは原則無制限です。さらに、画像や動画、PDFファイルなどの送付も、SMSは未対応ですがメールは対応しています。

4 SMSの仕組みとサーバ

SMSの送受信には、サーバと呼ばれるシステムを使用します。SMSのサーバとして、メッセージを送信する「片方向型」と送信と受信両方に対応している「双方向型」の2つが使われています。

ここでは、SMSの仕組みと、メッセージ送受信に使われるサーバについてわかりやすく解説します。

4-1 サーバとは?

サーバはインターネットを介してユーザー(クライアント)とつながっています。サーバ(Sever)とは、クライアントから要求や指示を受け、情報や処理を行いサービスを提供するコンピューターやソフトウェアのことです。

つまり、クライアントのリクエストに応えるデータを提供するシステムのことでECサイトやWebサイト、メール、SMSなどあらゆるものに使用されています。

今回はメッセージの送受信に使用されるサーバについて理解していきましょう。

4-2 メッセージ送信につかわれるサーバ

4-2-1 メールのサーバ

メールが送信される際は、一般的に、以下のような流れでデータが送られています。

送信者 →(メールソフト)→ SMTPサーバ → POPサーバ/IMAPサーバ → 受信者

それぞれのサーバについて説明します。

SMTPサーバ(Simple Mail Transfer Protocol)

SMTPサーバはメールの送信に必要なサーバです。
送信者がメールを送信すると、メールソフトがSMTPサーバにメールの送信を依頼します。
SMTPサーバを介してメールが送信されます。

POPサーバ(Post Office Protocol)

POPサーバはメールの受信に必要なサーバです。
SMTPサーバを介して送られたメールは、POPサーバによって受信者のデバイスに受信することが可能になります。

IMAPサーバ(Internet Message Access Protocol)

IMAPサーバもメールの受信に必要なサーバです。
POPサーバと役割は同じですが、サーバ内にデータを残すか残さないかの違いがあります。
POPサーバはメールを受信先にダウンロードさせる役割はありますが、ダウンロードされるとサーバ内にデータは残りません。一方、IMAPサーバでは、メールサーバに保存したままメールを受信できます。

4-2-2 SMSのサーバ

SMSのメッセージの送受信には、かならずサーバを介します。送信者から一方的にメッセージを送信する「片方向型」と、クライアントからのメッセージも受信できる送受信の「双方向型」とで、以下のような流れでデータが送られます。

【送信のみの片方向型】
送信者(SMSチャネル)→SMSC(SMPPサーバ)→デバイス(受信者)

【送受信の双方向モデル】
送信者(SMSチャネル(ESME)) → SMSC(SMPPサーバ)→デバイス(受信者)→ SMPPサーバ → API → 送信者

送信内容のデータは、SMS チャネル(ESME)でSMSに変換されます。変換された後、SMSC(ショートメッセージサービスセンター)に送信され、SMSを保存するサーバを通して、最終的にクライアントに送信されます。

それぞれの用語について説明します。

SMPP(Short Message peer to peer)

ESMEやSMSCの間でショートメッセージを転送するためのプロトコル。

SMSC(Short Message Service Center)

SMSCとは、ショートメッセージサービスセンターのことを指し、送信されたデータを保管します。

ESME(External Short Message Entity)

ESMEは、「外部ショートメッセージ設備」と呼ばれ、SMSCに接続してSMSの送受信を行なう外部アプリケーションです。

「外部アプリケーション」と呼ばれる理由は、SMSゲートウェイを提供する企業や携帯電話会社の外部に設備が存在するからです。SMSゲートウェイサービスを提供する企業は、携帯電話会社と契約して、SMSのSMSCと、自社のSMS用送受信設備を接続します。

5 ビジネスシーンでのSMSの活用例

多くの企業がSMSのビジネス活用のために「SMS送信サービス」を導入しています。「SMS送信サービス」とは、企業とユーザーとのコミュニケーションを円滑にするためのSMS活用ツールです。

ここでは、SMS送信サービスを用いたビジネスシーンにおけるSMS活用例を紹介します。

5-1 一斉送信

SMS送信サービスでは、メッセージの一斉送信が可能です。個人間で利用することを前提としているSMSは送信件数の上限があり、複数人へ同時にテキストを送ることはできません。

しかし、多くのSMS送信サービスでは、大量のユーザーへ同時送信できる一斉送信機能を搭載しています。PCから電話番号宛にSMSを送ることもでき、特定条件の電話番号リストに対する一斉送信といった使い方にも対応しています。メルマガで配信していたクーポンや期間限定セールのお知らせの発信などに活用できるでしょう。

メールアドレスは変更される可能性がありますが、MNPの普及に伴って電話番号を変更する頻度は減っており、SMSを使うことでユーザーとの継続的な関係構築が可能です。

SMSのビジネスシーンでの応用については、下記記事も合わせてご覧ください。

SMS(ショートメール)の送信方法とビジネスへの応用方法を解説!

5-2 SMS認証

本人確認や予約確認などでSMSを使用したことがある人も多いでしょう。こうした手続きはSMS認証と呼ばれます。SMSは電話番号に紐付いており、メールアドレスのように自由に複製することはできません。

そのため、ユーザー認証の手順に組み込むことで、なりすましや第三者の不正使用の予防につながります。アプリやWebサービスにおける会員登録やクレジットカード情報の入力など、IDやパスワードの入力だけでは不十分な場合に、二段階認証としてSMS認証が役立ちます。

6 SMSを使うときの注意点

ここで、SMSを使う際の注意点について解説します。SMSは手軽に使い始められる分、料金体系や文字数が他のメッセージサービスとは異なります。また、添付ファイルの送信などで自動的にMMSに変換され、送受信時にエラーとなってしまう可能性もあるため注意が必要です。

6-1 1通送信するごとに料金がかかる

SMSでは受信は無料ですが、送信には料金がかかります。EメールやLINEといったインターネット回線による送受信と異なり、SMSは電話回線を使用するため、パケット定額料金とは別に1通単位で料金が発生します。

6-2 文字数制限がある

SMSには文字数制限がある点にも注意しましょう。2019年9月以降、一部の古い機種を除くiPhoneとAndroid端末では、最大670文字までやり取りできます。ただし、キャリアバージョンによっては従来通り全角70文字までしか送れないので事前に確認しましょう。

ガラケーの場合、全角だと最大70文字、半角英数字なら最大160文字と文字数が決まっており、上限を超えた場合は自動的にメッセージが分割されてしまいます。ガラケーを含む宛先にSMS送信サービスで一斉送信する場合などは、全角70文字を目安に分割して送信するなどの工夫が必要です。

6-3 画像や動画は添付できない

SMSはテキスト以外の送受信には対応しておらず、基本的に画像や添付ファイルは送信できません。SMSの本来の役割は、短文テキストのやり取りであり、EメールやLINEのように画像や動画、PDFファイル、スタンプなどは送信できないので注意しましょう。

SMSの相手に画像や動画を送りたい場合は、短縮URLが便利です。送りたいデータをあらかじめGoogleドライブなどに保存し、保存場所のリンクを取得します。短縮URLを作成し、SMSで相手に送れば、受け取った人がURLにアクセスすることでデータの閲覧やダウンロードが可能です。

7 SMSを導入する前に…

7-1 SMSを導入する前に確認しておくべきポイント

各サーバについて解説してきましたが、SMSの受信のみを行なうクライアントであればサーバを意識する必要はありません。しかし、ビジネスユースでSMSの送受信をする場合は、サーバについて理解しておく必要があります。

なぜなら、これまでに解説したサーバが送信先のシステムと異なると、データのやり取りはできないからです。

導入する際に、事前に確認しておくべきポイントは以下のとおりです。

他システムからのデータ取得方法(APIなど)
他システムからのデータ送信方法(ESME)
SMSCが使うサーバ(SMPP)の把握

7-2 目的に合ったSMS導入をしよう

SMSを活用する用途によって必要な機能が変わってきます。たとえば、ワンタイムパスワード発行に使う場合は送信のみになるでしょう。一方、顧客との連絡手段として導入を考えるのであれば、クライアントからの受信が必要になります。

SMSサーバについて理解をしておくと、目的に合ったSMSの導入に役立ちます。また、APIについても合わせて知っておくとよりよいでしょう。APIについての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

APIとは? サイトやアプリ/ツール連携の具体例と導入メリットを共にわかりやすく説明

8 SMSをビジネスに有効活用しよう

SMSは電話番号宛にやり取りできる便利な機能です。ほとんどの携帯電話に標準装備されている上、本人への高い到達率・開封率を誇るため、多くの企業がSMSの活用を始めています。

SMSは個人同士のやり取りが基本ですが、SMS送信サービスを使えばメルマガのような一斉送信やSMS認証といった多彩な使い方が可能です。アプリやWebサービスでの本人確認や、特定のユーザー層への情報発信など幅広い用途でSMSが活躍するでしょう。
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