【例文付き】電話対応マニュアル|手順に沿って作り方をわかりやすく解説
電話対応は会社を代表してお客様と会話をしなければならないため、プレッシャーのかかる仕事です。とくに、若手社員の方は苦手意識を持っている人が多いでしょう。
本記事では、電話対応を手順に沿って整理し、それぞれのシーンで使える例文を合わせて紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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1 電話対応の基本や心構え
電話対応の基本として身につけておくべきことや心構えについて解説していきます。
1-1 「会社の顔」としての気持ちを持つ
電話ではお互いの顔が見えない分、話し方や声色が大切な要素となります。
電話をかけてきた相手からすれば、電話に出た人が新入社員か派遣スタッフかなどは関係なく、「○○会社の一員」として見られます。そのため「電話応対の印象=会社全体の印象」になってしまうという意識を持つことが重要となります。
1-2 敬語、丁寧な言葉遣いを心がける
顔が見えない分、不適切な言葉遣いは悪印象につながりかねません。また「もしもしを使わない」「取り次ぐ際は必ず保留にする」などといった電話ならではのマナーも存在します。
詳しくはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひ一度ご覧ください。
1-3 明るい声で元気にハキハキと喋る
電話では声のトーンを明るくすることが大切です。元気にハキハキと喋ることにより、相手に好印象を抱いてもらいやすくなります。
その際に意識したいのは笑顔と姿勢です。目の前にお客様がいると想定して、明るい笑顔としっかりした姿勢で話すことにより、声にハリが出るでしょう。特に口角を上げると声のトーンも明るくなるので意識してみてください。
前述したように「電話応対の印象=会社全体の印象」なので、笑顔を浮かべながら元気に喋ることにより、お客様に「雰囲気の良い会社だな」と思ってもらえる可能性が高くなります。
1-4 事前準備を万全にする
用件や履歴などをメモに残せるよう、電話のそばには常にメモ用紙と筆記用具を置いておきましょう。また、保留や転送など、会社の電話の基本機能・操作方法はあらかじめ確認しておくことも大切です。
自分の中で準備ができたら、先輩や同僚などをお客様に見立てて練習するのも有効な手段になります。
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2 電話対応の際の基本的な流れ
2-1 2~3コール以内に受話器を取る
電話が鳴ったら2〜3コール以内に受話器を取るようにしましょう。それ以上かかってしまった場合には、第一声に「大変お待たせいたしました」と謝罪の旨をひと言添えるのがマナーになります。
2-2 会社名と部署名・氏名を名乗る
先方と電話がつながったら、自分の会社名と自分の名前を名乗ります。初めての連絡の場合は顔も見えず、素性もわからない状態なので、自己紹介を忘れずに行いましょう。自分の部署名まで伝えられると、なお良いです。
例
「お電話ありがとうございます。株式会社◯◯、◯◯部の◯◯でございます」
「大変お待たせいたしました。◯◯の◯◯でございます」
2-3 相手の会社名・氏名・用件を復唱する
先方の情報や要件を復唱します。社内の人間に取り次ぐことなども視野に入れ、簡潔にまとめられるとなお良いでしょう。
例
「株式会社◯◯の◯◯様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております」
「〇〇の件でのお電話ということでお間違いないでしょうか?」
「大変恐れ入りますが、お電話が少し遠いようなので、もう一度、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」
2-4 (a) 問い合わせの内容に答える
答えられる場合は回答します。このとき、社内情報や取引先の名称などは安易に外部に漏らさないよう注意しましょう。
例
「担当の〇〇は現在外出しておりまして…●時ごろ戻る予定となっております」
「そちらの件は現在〇〇となっておりまして…」
2-5 (b) 問い合わせ内容に対処できる相手に取り次ぐ
先方から指定のあった場合や、自分では対処しきれない場合、社内の人間に取り次ぎましょう。このとき、電話は必ず「保留」の状態にしてください。なぜならば、受話器は周囲4mの音声を拾うため、取り次ぐ際の音声が拾われてしまう恐れがあるからです。
例
「◯◯でございますね。少々お待ちください」
「◯部(部署名)の◯◯(担当者名)でございますね。ただいまおつなぎしますので、少々お待ちください」
2-6 取り次ぐ相手が不在の場合は、不在理由と戻る時間を伝える
取り次ぐ相手が不在だったり、社内にいても電話対応が難しい場合には、不在の旨を伝えた上でその後の対応を行ないます。時折、「ちょっとしたら戻ると思います」という返事を受けることがありますが「すぐ」「ちょっと」という時間の感覚は人によって異なるものです。
人によって解釈の揺れが生まれる表現は避け「5分程度で戻ります」というように具体的に答えましょう。
例
「大変恐れ入りますが〇〇(担当者名)は現在外出しておりまして、〇時頃戻る予定となっております。折り返しのご連絡を差し上げるよう申し伝えますので、〇〇様のお電話番号をお聞きしてもよろしいでしょうか」「〇〇はただ今席を外しており、5分程度で戻りますが、何かご用件をお伝えいたしますか?」
2-7 あいさつをして電話を切る
電話をかけた人物が先に切ることがマナーです。そのため、相手が電話を切ってから静かに電話を切るようにしてください。ただし、相手が電話を切らない場合は「お電話ありがとうございました。失礼いたします」と伝え、相手に電話を切るよう少し待つのも一つの手です。
例
「本日は〇〇(自分の名前)が承りました。他に何かご用件はございますか?」
「お電話ありがとうございました。失礼いたします」
2-8 伝言があった場合は担当者のデスクにメモを置く
担当者の不在時に伝言を受けた場合は、電話を切った後、忘れない内に担当者のデスクのわかりやすい場所にメモを置きましょう。伝言メモには「先方の会社名と名前」「電話を受けた日時」などを記します。
伝言メモの例 |
〇〇さん宛てに下記のお電話がありました。お手数ですが、折り返しのご連絡をお願い致します。 株式会社 〇〇様 受信日時 〇月〇日〇時〇分要件 〇〇の件電話番号 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 |
3 困ったときの電話対応マニュアル
3-1 相手が名乗らない場合
相手の素性がわからないまま電話対応をするのは危険な行為です。「失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」「失礼でございますが、どちら様でいらっしゃいますか?」などと尋ね、名前を聞きましょう。
3-2 相手の声が聞き取りづらい場合/名前や伝言を聞きそびれた場合
相手の環境次第では音声や会話の一部が聞こえないことも多々あります。そのような時は、
「申し訳ないのですが、お電話が少々遠いようでして…」といったように、きちんと聞こえない旨を伝えた上で再度聞き直しましょう。
聞こえないままにして、内容をきちんと把握していない方がかえって失礼にあたります。
3-3 クレームなどイレギュラーの電話だった場合
受けた電話がクレームなどのイレギュラーなケースがあります。そのようなときに慌てないためには、事前に対応方法を心得る必要があるでしょう。そこでこの段落では、クレーム電話への適切な対処方法と注意点について解説します。
3-3-1 不快な思いをさせたことを謝罪する
クレームの事実確認を行う前に、まずは不快な思いをさせてしまった点について謝罪しましょう。
あくまでも「嫌な思いをさせてしまったことへの謝罪」という部分がポイントです。この段階では、お客様のクレーム内容が正しいかどうかわかりません。全面的に謝ってしまうと、後々責任問題に発展する可能性があります。
そのため、やみくもに謝罪するのではなく、「不便をかけてしまったこと」や「クレーム電話の手間をかけたこと」に対する謝罪にとどめることが重要です。
3-3-2 お客様の話をよく聞く
お客様は「自分のクレームを聞いてほしい」という思いで電話をかけているため、途中で話を遮らず、最後まで内容を受け止めることが大切です。
ただし無言で聞いているだけでは、「しっかり話を聞いていない」と思われ、場合によってはさらに怒らせてしまう可能性があるため、適切な相づちを入れましょう。投げやりな相づちは逆効果なので、「さようでございますね」などの丁寧な言葉遣いで、しっかりと話を聞いている姿勢を伝えることがポイントです。
また、クレームの内容をメモに取りながら、お客様の話が落ち着いたタイミングで事実確認を行います。
すぐに確認できない内容に関しては、「折り返しお電話を差し上げます」などと伝えたうえで、時間をかけて調べたり、上司に相談したりといった対応が必要になります。
3-3-3 解決に繋がる提案をする
クレーム内容の事実確認を行ったうえで、お客様の悩み解決に繋がる提案を行います。仮にクレームがお客様の誤解だったという場合でも、「弊社には非がありませんので」といった冷淡な返しではなく、前向きな言葉を伝えることが大切です。
お客様のクレーム内容が正しかった場合は、あらためて真摯に謝罪したうえで、「弊社では〇〇という対応を行わせていただきたいと考えていますが、いかがでしょうか?」といったように、お客様の判断を尊重すると良いでしょう。
3-3-4 最後に感謝の言葉を伝える
基本的にクレームを伝えてくるお客様は、商品やサービスに愛着がある方です。「しっかり改善してほしい」という思いが根底にあるケースが多いため、貴重な時間を取っていただいたことへの感謝の言葉を伝えます。
その後、相手が電話を切り終えるのを待ってから、こちらもゆっくりと電話を切ります。
4 電話対応マニュアルの作り方
ここでは、会社で電話対応マニュアルを作る方法と運用方法について説明します。社内にマニュアルがあることで、電話対応の品質の均一化を図れます。
4-1 基本的なトークスクリプトを記載する
トークスクリプトとは、電話対応時の台本のようなものです。社内にトークスクリプトがあれば、電話の取り方や会話の流れ、お客様への質問と回答方法などを理解しやすくなります。
トークスクリプトはあらかじめ、いくつかのパターンを想定したうえで作成することがポイントです。必ずしもマニュアル通りに会話が進むとは限らないからです。
特にイレギュラーな内容の電話だった場合、対応方法を誤るとお客様に不快な気持ちを与えかねません。
電話が不得意な新人でも、あらかじめ定番の会話パターンや緊急事の受け答えを頭に入れることができれば、落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
4-2 フローチャートを作成する
フローチャートとは、業務プロセスの各段階を図で示したものです。作成したトークスクリプトをフローチャートにまとめることにより、柔軟な受け答えをしやすくなります。
たとえば、電話を受けた際の対応として「お世話になっております。〇〇会社の〇〇と申します」というセリフを書き、その次にお客様の言葉として「〇〇に変わってもらえますか?」というセリフを入れます。
そこから「はい」「いいえ」で分岐し、「はい」の下には「かしこまりました。少々お待ちください」。「いいえ」の下には「申し訳ございません。〇〇は現在外出しておりまして、〇時には戻ってくる予定でございます」と、それぞれセリフを記載します。
さらに分岐させながら、こう言われたらこう返す、というのをパッと見ただけでも分かるよう図式化していくイメージです。
4-3 よくある質問をまとめる
電話対応中でもすぐに参照できるように、よくある質問をわかりやすくまとめることが大切です。
特に新人や電話に苦手意識がある従業員にとっては、「冷静に対応しよう」と思っても、イレギュラーな質問を受けるとパニックになりかねません。そのような従業員でも、スムーズに情報に辿り着ける工夫が必要になります。
たとえば、自分のパソコンからワンクリックで、よくある質問集にすぐにアクセスできれば、電話対応中でも参照しやすいでしょう。
4-4 エスカレーションフローを決めておく
エスカレーションとは、上司のような上位者に指示を求めたり、対応を代わってもらったりすることをいいます。また、エスカレーションフローは「誰にエスカレーションするのか」を示した流れのことです。
電話対応者がクレームを処理できなかったり、トラブルが起こったりした場合にエスカレーションフローを決めておくことが大切です。具体的には、新入社員→課長→部長→専務などのエスカレーションフローが考えられるでしょう。
4-5 マニュアルを使った新人研修も行う
作成したマニュアルは、ただ従業員に周知するだけではなく、社内でロープレを行うと効果的です。
たとえば、上司がお客様の役として新入社員に電話をかけてみたり、逆に新入社員がお客様として上司に電話をしてみたりといった方法があります。ロープレの後は、改善するべき点をまとめてフィードバックを行うようにしましょう。
5 SMSやIVRの導入で業務改善も
電話にすぐに出られない状況に備えて、SMS(ショートメッセージサービス)やIVR(音声自動応答システム)を利用するのもおすすめです。「電話が繋がらない」という状況を防ぐこともできるため、顧客満足度の向上も狙えるでしょう。
お客様に1件1件、丁寧に対応するには受電数を減らすことも必要ですが、SMSやIVRの活用によって効率化を図ることができます。
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詳細は以下のページをご覧になってみてください。
6 会社の顔として顧客を満足させられる電話応対をしよう!
電話対応上達の一番のコツは実践することです。マニュアルを参考にして練習を積み重ねることで上達していきます。
元気に明るくハキハキと対応し、相手を尊重する気持ちをもって臨みましょう。
また、今回説明したように電話対応はある程度フローが決まっているため、自動化することが可能です。よくある質問であったり、そもそも電話よりもテキストによる回答の方が適した内容だったりする場合も少なくありません。
そのような電話に、人間の代わりに対応してくれるのがIVR(自動音声応答システム)やSMSといった自動化システムです。
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