かつては、コールセンター業務が忙しくなった時の唯一のソリューションは、人員を増やして対応することでした。
しかし、コロナ禍でネットショッピング需要が急激に増え、コールセンター業務を強化することが必要な今、人海戦術だけを解決法にするのは、もはや無理があります。
業務の効率化が企業の重要課題といえるでしょう。
コールセンター業務を効率化させる上での基本は、メンバー全員の能力を十分に活かし、業務効率化の大敵であるムリ、ムダ、ムラをなくすこと。
今回は、コールセンター業務の課題を洗い出し、業務効率化に向けた解決策を考えてみたいと思います。

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【コールセンター業務の効率が下がる要因】

メンバー全員が怠けることなくオペレーションを行っているのに、なぜコールセンター業務の効率が下がるのでしょうか。
その原因を考えてみましょう。

●慢性的な人手不足

コールセンターの利用ニーズが増加し、人手が必要になっているのに、募集をかけてもなかなか人員が増えないという「需給のアンバランス」が生じています。

コールセンター業務は電話によるクレーム対応など、精神的にきついことが多い職種。
そのわりに、他の職種に比べて非正規雇用者の比率が高く、おうおうにして給与水準が低い実態があります。
そのため、意気揚々でチームに加わった新人メンバーが一人前になる前に心が折れてやめてしまったり、あるいは高収入が見込める別の職種の正社員ポジションに転職してしまう、ということも少なくありません。

「待遇が悪いのに辛い仕事」というイメージがあるため人員確保が難しく、各自の負担が増えるために効率が下がってしまうのです。

●問い合わせの増加

従来、コールセンター業務のツールは電話だけというケースがほとんどでした。
しかし、メール、チャットなどからの問い合わせも増加し、さらにこのコロナ禍で問い合わせ件数が激増しています。
これもコールセンター業務の負担増につながっています。

●問い合わせ内容の複雑化

コールセンターで対応する製品またはサービスの種類が多くある場合、問い合わせの内容も多岐に渡ることになります。
そのため、ひとりですべてに対応できるエキスパートはごくわずかとなり、できるメンバーの作業が増える一方で、新人はできることがないという状態も生じてしまいがち。
これでは、コールセンター業務の効率化は望めません。

担当した問い合わせに自力で応じられないメンバーは、回答できる同僚に転送することになるので、対応が完了するまでに時間がかかることになり、顧客にストレスを与えることも。顧客満足度に悪影響を及ぼすことにもなりかねないのです。


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【コールセンター業務を効率化させるベネフィット】

コールセンター業務の効率化を進めることで、どのようなベネフィット(利益)を生み出せるのかを確認してみましょう。

●メンバーの負荷軽減

業務の効率化により負荷の高い作業が軽減すると考えられ、コールセンターメンバーの身体的負担を減らすことができます。

問い合わせ一件あたりにかかる時間が短かくなれば、同じ勤務時間内で多くの問い合わせに対応できるので、仕事の終わりが見えないストレスなど、精神的負担も減らすことになるのです。

●人件費削減

メンバーの負荷軽減は企業にとってもメリットがあります。
業務の効率化によりメンバーの平均対応時間が短縮できれば、一件あたりのコストが下がります。
また、勤務時間中に対応できる問い合わせ件数が増えれば、メンバーの残業や休日出勤などの時間外労働時間が減るため、人件費を軽減することができるのです。

さらに、メールやチャットなど、電話以外のツール導入により電話が繋がりやすくなることで、顧客満足度が上がります。
人員再配置を行うことで、少ない人員でも高い品質での対応を継続することが可能にもなります。

●利益率アップ

コールセンター業務の効率化でコスト削減ができれば、営業利益の向上も期待できます。
業務の効率化で余裕が持てるようになれば、顧客一人ひとりに丁寧に応対できるようになり、顧客満足度の向上と、さらなる収益アップにつながります。

●メンバーのモチベーションキープ

業務の効率化で働く環境が心身ともに改善されたなら、メンバーのモチベーションも高止まりでキープされるはずです。
さらに雇用条件の見直しも行えば、優秀な人材の確保にも繋がるでしょう。

【コールセンター業務を効率化させる方法とは】

次に業務の効率化の具体的な方法を確認しましょう。

●業務を洗い出しマニュアル化

まずは、コールセンター業務を洗い出し、マニュアル化することから始めましょう。
業務のマニュアル化には現場の声をよく聞くことが肝心なため、メンバー全員にヒアリングを行います。
マニュアル作成の際には標準業務フロー作成や、メンバー共通のコールスクリプトのアップデートも合わせて行いたいところです。
しっかりとマニュアル化を行えば、マニュアルさえ見れば新人であっても基本的な対応はできるようになるはずです。

ただし、留意すべき点がひとつあります。
業務マニュアルは一度、作成したら終わりではありません。
あくまでも「なまもの」と位置付けて、継続してアップデートが必要になります。
業務マニュアルのアップデートに関する業務フローの作成も、必ず行ないましょう。

●ルーチンワークの自動化

ルーチンワークは手作業だけに頼らず、ツールの活用でできるだけ自動化するのが良い方法です。
入力項目の転記や作業完了日付の記入であれば、エクセルのマクロ機能でもある程度、自動化できます。

入力項目が増えたり入力内容が複雑になる場合はRPA(Robotic Process Automation)の活用を検討しましょう。
また、時間外や休日対応には自動音声で案内を流せるIVRや、携帯電話番号がわかればメッセージ配信ができるSMSの活用もおすすめします。

●チャットシステム(チャットボットツール)導入

料金案内、簡単なQ&A対応や定型の案内ならチャットで十分対応可能なので、チャットシステムの導入を検討しましょう。
簡単な作業から解放されたメンバーは、もっと重要な業務に時間を充てることができるようになり、コールセンター業務の効率化が推進できます。

●人員の再配置

導入ツールのオペレーション方法、製品やサービスに関する知識など、メンバー全員に必要なノウハウをトレーニングしましょう。
継続的なスキルアップを行い、対応レベルの平準化を目指します。
その上で、各メンバーの得意不得意、経験年数や経験値を考慮し、人員の再配置を行うことがコールセンタ業務の効率化には良い方法です。

メンバーの作業量が偏らないよう配慮し、優れたメンバーにはインセンティブを付与するなど、メンバーの高いモチベーションをキープさせる施策も重要といえます。

●コールセンターシステム導入

コールセンター効率化の最終着地点は、コールセンターシステムの導入です。
コールセンターシステムは、電話の着信制御や適切なメンバーへのアサインメント、電話応対中の顧客情報を画面表示、顧客対応記録の一元管理、よくある質問の検索など問い合わせの回答などが行えます。

CTI(Computer Telephony Integration)システムや、問い合わせ管理システム、Q&AシステムやCRMなど、企業で必要とするツールを組み合わせて導入します。

CRMなどコールセンターシステムのパーツによっては、他部署の業務と同期が必要になるため、社内の風通しがよくなる期待もできるのです。

【コールセンター業務効率化の成功事例】

コールセンターの業務効率化に成功した企業の事例を2つ紹介します。

●楽天証券

日本初のオンライン専業証券会社である同社では、このところの株価の変動により、コールセンターの来電が激増し、電話が繋がらない状況が定常となりました。
しかも、メンバーの知識不足といったクレームも頻繁に寄せられていました。

そうした状況を改善するため、コールセンターシステムの活用でコールセンターの稼働状況を見える化したところ、ボトルネックとなっている箇所が見極められ、迅速に改善することができました。
さらに、メンバーの人員再配置を行うことで、顧客のストレスも軽減することに成功しました。

●ソニーネットワークコミュニケーションズ

インターネットサービスプロバイダ事業を生業とする通信事業会社である同社では、全国8拠点1,400席のコールセンターを運営していましたが、コールセンターメンバーの対応品質やメンバーの知見のばらつき、そして人材不足を補うため、コールセンターシステムを導入しました。

その結果、対応業務が効率化でき、処理時間の大幅な短縮により人件費の削減が実現しました。
また、通話の可視化により、対応品質が向上しました。

【SMS活用でコールセンターの生産性アップも実現させよう】

コールセンター業務の効率化ツールとして、SMS活用も有益であることはすでにお伝えしました。
さらに、コールセンターの生産性アップもSMS活用で実現できることをご存じでしょうか。

●コールセンター業務の生産性向上と業務効率化の違い

生産性向上と業務効率化はイコールではありません。
業務効率化は業務のムリ、ムダ、ムラをなくしコスト削減することであり、生産性を高めるための手段のひとつといえます。
少ない資源で利益拡大を目指す取り組みなので、手段は業務効率化以外にもあるといえるのです。

【まとめ:コールセンター業務効率化で、アフターコロナを乗り切ろう】

コールセンター業務を効率化させることは、企業にとって人件費軽減、顧客満足度向上、優秀な人材の確保そして利益率向上といったメリットにつながります。
また、コールセンターメンバーにも、キャリアを確立させ、高いモチベーションがキープできるという利益をもたらすものです。

アフターコロナを迎えても、以前の状態に戻るとは考えにくく、引き続きコールセンターへの問い合わせが増えると考えられます。
鍵になるのは、業務を迅速に効率化できるかどうか。
自動化できる業務対応には、適切なツールの導入をお勧めいたします。

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