IVR(自動応答システム)ガイダンス例文作成のコツは?
企業や公共機関にとって大きな負担となっていた電話対応業務は、IVR(自動応答システム)と音声案内によって、大幅な作業工数の削減が可能になりました。
しかし、ガイダンス内容や段取りに関する手法を誤ると、「音声自動応答になって分かりにくくなった」といった不満を顧客に抱かせてしまうことも考えられます。
本記事では、IVRの導入時に知っておくべき基本ルールやコツを、具体的な例文とともに解説します。
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【コミュニケーションとしての電話音声ガイダンスと自動応答システム(IVR)のメリット】
●電話音声ガイダンスの一般的な流れ
自動音声案内は一般的に、以下のような流れで進んでいきます。
- IVR受電から電話音声ガイダンス機能が起動
- IVRによって完結する用件とオペレーターに接続する用件の切り分け
- オペレーター対応の開始
この自動音声案内(IVR)がどのような効果やメリットをもたらしているか、見ていきましょう。
●電話音声ガイダンスとIVRを利用するメリット
・一次対応の自動化によるオペレーター人件費の削減
IVRを導入すれば、一次対応は自動化されることになり、人件費削減につながります。
問合せの難易度が高いものはベテランオペレーターに振り分けることが可能になるので、対話時間も短くなり生産性も向上します。
・用件の事前切り分けによる問い合わせ処理の効率化
音声ガイダンスを利用することで、顧客の要望する内容の一次切り分けを自動的に行えます。
問い合わせ処理のスピードアップが可能となり、対応の効率が向上します。
・オペレーターの知識習得負担削減
オペレータ各人がすべての知識をカバーするためには、経験と学習が必要になります。
しかし、IVRが導入されていれば顧客の用件に応じて担当者に振り分けられるため、オペレーターは用件領域を分担できます。
オペレーターを限定した領域のスペシャリストとして育成できるので、各人の専門性を構築する近道になります。
・受電できないという致命的な機会損失を回避
受電対応人員が足りない場合、折り返し電話を依頼される場合の自動受付が可能となります。
そのため、オペレーター人員不足による瞬間的な受電不可の状況でも機会損失を削減することができます。
・ITシステムと連携させることで、マーケティングデータとして活用できる
問合せの集中している商材は、良くも悪くも注目を浴びている証拠です。
自動応答される内容から、その要因を分析することもITシステム次第では可能になります。
SFAやCRM(顧客管理システム)との連携で使われる事例が多いようです。
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【音声ガイダンスの用途例】
IVRの活用パターンは大きく2つに分けられます。
それぞれの用途例を見ていきましょう。
●IVRだけで完結する自動応答ケース
さまざまなケースがありますが、大きくは以下の3つに分けられます。
- IVRを入り口として、詳細内容についてはオペレーターが対応するケース
- オペレーターの通話に受電が殺到して不通状態であることを知らせるアナウンス
- シンプルな回答を求める顧客への自動回答IVR→注文品の受付確認や出荷予定確認
1つ目のケースについて、くわしく解説していきます。
●IVRを入り口として、詳細の内容についてはオペレーターが対応するケース
・ 複雑な商材の問い合わせ対応(金融関連や通信販売など)の要件
たとえば、クレジットカードに関する問い合わせの場合、ほとんどの問い合わせはオペレーターによる対応が必要です。
紛失・盗難などの緊急性の高い対応もあれば、些細な不明事項に対する確認をすることもあるからです。
いずれにしても、オペレーターが詳細まで把握している必要がありますが、項目が多岐にわたるため、オペレーターごとに知識を習得する領域を分担するのが通例です。
そうした専門性を持ったオペレーターに振り分けるための一次切り分けを、IVRが行っているのです。
・自動操作までのプロセスがいくつもあり、顧客だけで完結することの難しい商材
一つひとつの項目はさほど難しくない場合でも、そのプロセスが3つ以上になると、顧客は最後まで手続きをすることを難しく感じるものです。
自動応答の採用により、複雑な作業を顧客自身で行わせることで苦痛を感じさせるようでは、企業としては逆効果と言えます。
高齢化社会の進む日本では、年配の顧客をベンチマークして「オペレーターと共に行う作業」を慎重に抽出する必要があるでしょう。
次の章で、IVR導入の際の重要点や注意点を見てみましょう。
【IVR導入時に気をつけなければらない重要検討点や注意点】
自動音声案内により、何かの疑問や要望を解決した経験は誰しもあるでしょう。
その過程で、自分がするべき作業や、やり取りにストレスを感じたことはありませんでしょうか?
人によって感覚の違いはあるでしょうが、そうしたコールシステムには改善の余地があります。
以下に列挙するのが、基本的なポイントとその理由です。
IVR導入を検討される場合は、留意しましょう。
●ガイダンス時間は最少にまとめる
コールセンターに連絡をしてくる顧客は、何かの問題や要望を解決したい人たちです。
そのストレスによって、気持ちに余裕が無い状況にいる可能性もあります。
自動音声案内とIVRのアナウンスを「聞くだけの時間」は極力短く、「簡潔に、明確に」行う必要があります。
さらに、近年ではコールセンター問合せダイヤルに0120から始まるフリーダイヤルを使わない企業が増えてきました。
つまり、かける側である顧客(または見込み顧客)が通話料を負担する必要があります。0570から始まる電話、ナビダイヤルなどは「〇〇秒ごとに××円の通話料がかかります」というアナウンスが冒頭に流れます。
込み入った手続きを行わなければならない場合などには、通話時間が10分以上に及ぶことも少なくありません。
顧客は「要望を解決したいのに未解決な状況」に加えて、「そのために負担するべき通話料」にストレスを感じています。
極力、最短距離で目的にたどり着けるようにすることで、そうしたストレスを少しでも和らげる必要があります。
●案内するメニュー数(選択肢)はメモ無しでも記憶できる数に
プッシュボタンを押して選択する必要がある中で、中には6つ以上の選択肢をいきなり提示してくるアナウンスがあります。
人間は、年齢にかかわらずソラで覚えられる数量は3つから4つ程度であると言われています。
それ以上のメニューを提示しても、聞き直しが生じて2倍の時間がかかることも良く起こるようです。
メニューがたくさんある場合は、以下のようにしましょう。
- 選択肢を記憶できる数量に絞る
- 1回あたりの選択内容をシンプルにする
※いきなり目的に行くのではなく「1次チェックポイント→2次チェックポイント→目的」といったステップを増やす
- 「ボタンを押す回数は増えるが、分かりやすい案内」を選ぶ
このような構成がセオリーであると言われています。
●途中で進む道が分からなくなった方への救済=道案内のため、オペレーターへのルートを確保する
時間をかけてアナウンスを聞いている最中に、内容を見失った時の絶望感は、顧客のストレスをさらに増大させます。
各チェックポイントのどこからでも「オペレーターにおつなぎする」という選択肢を選べるようにしておきましょう。
顧客の安心感につながることでしょう。
【IVRで使うガイダンス例をご紹介】
それでは、どのような例文がコールセンターで使われているかを具体的に見ていきましょう。
●代表的な営業時間外アナウンス例
「お電話ありがとうございます。こちらは〇〇社でございます。
誠に恐れ入りますが、本日の営業は終了いたしました。
弊社の営業時間は朝10時から17時となっております。
営業時間内におかけなおしいただきますようよろしくお願い致します」
●WEBページへの誘導を行うアナウンスを追加する場合
「なお、当社WEBページのお問い合わせページでは24時間お問い合わせを受け付けております。検索サイトで〇〇と入力いただきますと入力画面をご案内できます」
●各々、得意領域として習熟しているオペレーターへの適切な割り振り
「お電話ありがとうございます。こちらは〇〇クレジットカード株式会社お客様相談センターでございます。ご用件を以下から選んで該当の番号を押してください」
↓
「カードの紛失・盗難・破損に関するご連絡は1、カード利用限度額の変更は2,リボ払いへの変更をご希望の場合は3,その他のお問い合わせは4,を押してください」
アナウンスは4つ程度の選択肢を最大とすることで、顧客にとって覚えやすい内容となります。
この質問で大分類→中分類→目的の問い合わせに到着できる、というルールにすることが大切です。
なお、前章でも触れましたが、途中で操作が上手くいかなくなることがあります。
選択肢を提示した後に、「オペレーターと直接お話になりたい方は〇番を押してください」を加えることで、お年寄りなど機械操作を苦手とする方に優しい設計となります。
●予約申し込みや予約確認などの定型的なアナウンス
自動音声で完結させることができるIVRシステムとなります。
双方のかなえたい目的を最初から共有しているので、案内はシンプルに済ませることができます。
「こちらは〇〇自動予約システムです。
ピッと音が鳴ったらご希望の予約日を4けたの数字で入力してください。例えば9月25日の場合は「0925」と押してください」
↓
「〇月〇日、のご予約ですね。
ご希望時間帯が朝9時から12時の方は1を、午後1時から3時までの方は2を、午後4時から6時をご希望の方は3をどうぞ」
↓
「〇月〇日午後1時から3時の時間帯でご予約を承りました。
初めての方は身分証明書、会員の方は会員証をお持ちください。
ご来店を心よりお待ちしております」
●督促や連絡事項を伝えるための発信型自動アナウンス
内容は多岐にわたりますが、ほとんどは料金滞納や相手の意思を再確認するために行われます。
- 連絡の目的は何か
- いつまでに、どう対応してほしいか
- 対応しないとどういう事が起こるか
簡潔に、期日があってそれを行ってくれないとどういう事が督促先に起こるか(法に基づいていることが前提)を伝えましょう。
うっかり忘れていた、ということも頻繁に起こるので、上記を伝えた後に、
「オペレーターにおつなぎするには〇番を押してください」
という選択肢を提示するのがよいでしょう。
具体的行動を確認するためのオペレーター配置を忘れないようにしましょう。
【IVRはSMS送信サービスとの連携でより効果的に!】
IVRの例文を紹介してきましたが、近年、IVRとSMSを併用して顧客の受電対応を行うソリューションが増える傾向にあります。
その理由およびメリットは、以下に挙げられます。
- 電話でつながるため、連携の相性が良い
- IVRと連携させるサービスの知識や技術ノウハウを持っている
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こちらの記事にて、SMS送信サービスの各企業の比較をまとめていますので、気になる方はご参照ください。
【IVR導入を検討するならば事業者の選定が重要】
IVRは、問い合わせなどの電話対応の自動化により、人件費の削減、業務効率化、機会損失の回避など、さまざまなメリットがあります。
最適なシステム構成は企業によって異なり、音声の内容については
- ガイダンスの再生時間を最小に
- 案内するメニュー数はメモ無しでも覚えられる程度に抑える
といった、顧客に配慮したものにする必要があることをお伝えしました。
SMS送信サービスとの連携でより大きな効果を発揮するIVR(自動音声応答システム)。
ぜひ、この機会に導入をご検討ください。