採用管理システムとは?目的やメリット・選び方のポイントを解説

企業にとって優秀な人材の確保は重要です。しかし近年では、少子高齢化や社会情勢の変化などによって、日本の企業は人材不足の傾向があり、人材採用に苦戦しているところも少なくありません。

そこでポイントになるのが採用管理システムです。自社に合ったシステムを導入することで、スムーズで効率的な人材採用が期待できます。

本記事では、採用管理システムの概要、目的、メリット、選び方などを解説します。効果的な人材採用活動を行うための参考にしてください。

1. 採用管理システムとは

まずは、採用管理システムを運用する目的やエクセルテンプレートとの違いについて解説します。採用管理システムが自社に必要かどうかを判断するには、最初に採用管理システムの全体像をおさえておくことが大切です。

1-1 採用管理システム運用の目的

採用管理システムとは、採用活動(求人募集、選考、内定、入社)のプロセスで必要な業務を効率的に一元管理できるシステムです。英語圏ではATS(Applicant Tracking System)と呼ばれており、日本語に訳すと「応募者追跡システム」という意味があります。

採用管理システムを利用すると求人情報、求人票、応募件数、応募者情報、面接日時などを管理でき、システム上での応募者とのやり取りがスムーズに行えます。また、応募者や内定者のデータ蓄積や分析なども可能です。

採用管理システムの導入は、外部の人材紹介会社とやり取りする機会が多く、日程調整が煩雑になっていたり、日頃からデータ分析に力を入れていたりする企業におすすめです。

1-2 採用管理システムとエクセルテンプレートの違い

採用管理システムを運用せず、エクセルで採用管理を行う企業もあります。エクセルで採用管理を行うには、自社でゼロから採用管理表を作成したり、無料のテンプレートを利用したりする方法があります。エクセルで採用管理を行う際は、応募者情報や進捗状況といった重要項目を忘れずに入力することが大切です。

社内のパソコンにエクセルがインストールされていれば、費用をかけずに作成できますが、手間がかかるうえに同時編集をしにくい、情報の更新漏れや入力ミスが発生するといったデメリットがあります。

一方で採用管理システムを利用すれば、コストは発生するものの、手間をかけずにシステム上で一元管理が可能であり、エクセルでは対応できない詳細な分析にも対応しています。なお、採用管理システムの具体的なメリットについては以下で解説します。

2. 採用管理システム運用のメリット

採用管理システムを運用することで、具体的に以下のようなメリットが得られます。

  • 選考・採用活動の効率化が図れる
  • データの見える化が可能
  • 本質的な業務の対応に注力できる

それぞれの内容について詳しく解説します。

2-1 選考・採用活動の効率化が図れる

採用管理システムを運用することで応募者情報を一元化できるため、採用活動の効率化が図れます。応募者が多数の場合でも、応募者の進捗状況や採用までのスケジュールを複数の担当者で共有することが可能です。また、応募者に関するデータを入力したり、確認したりする手間も削減できます。

採用システムを運用すれば、採用業務の自動化によって採用にかかる時間短縮が見込まれるため採用スピードが上がり、優れた人材の効果的な確保も可能です。

2-2 選考に関するデータの見える化が可能

採用管理システムで選考や採用に関するデータを共有し、見える化することにより、応募者の採用プロセスや面接の評価などの一括管理ができるため、採用担当者の負担を軽減できます。

そのほかにも、評価に関する情報の言語化・数値化により、可視化した情報を社内で共有できることで、採用コストの削減や工数の負担を減らす効果が期待できます。

2-3 本質的な業務の対応に注力できる

採用担当者の業務は、求人情報・応募者情報の管理、個別の応募者とのやり取り、面接日時のすり合わせなど多岐に渡ります。多くの採用業務に費やす時間に余裕がないというケースが少なくありません。

しかし、採用管理システムの運用によって採用業務の効率化が実現し、担当者は応募者対応や人材の選考など本質的な採用業務に注力できるようになるため、採用力アップが期待できます。

3. 採用管理システムを選ぶ際のポイント

採用管理システムを選ぶ際の主なポイントとして以下の6つの内容が挙げられます。

  • 採用形態に合わせた運用ができるか
  • 運用目的に合った機能があるか
  • 無料トライアルがあるか
  • セキュリティーは安心できるか
  • 導入や運用後のサポート体制は整っているか
  • アプリや就職関連媒体との連携状況

それぞれの内容について解説します。

3-1 採用形態に合わせた運用ができるか

採用管理システムを選ぶ際は「新卒」「中途」「アルバイト・パート」など、自社の採用形態に合ったシステムかどうかという視点が大切です。それぞれのケースを紹介します。

3-1-1 新卒採用の場合

特定のシーズンに多数の学生と接することになるため、大規模かつ的確なデータ管理に対応しているシステムの導入が必要です。連絡手段に関しても、学生が普段利用しているツール(LINEなど)によるコミュニケーションが求められます。

3-1-2中途採用の場合

応募が集中する時期が決まっていないため、年間を通して利用できるシステムが重要です。長期フォローが必要なケースも多いため、利便性の高さもポイントになります。

3-1-3 アルバイト・パートの場合

アルバイト・パート募集で利用している就職関連媒体との連携が大切です。連携によって応募者情報の取り込みを自動で行えるため、効率的な募集が可能になります。

3-2 運用目的に合った機能があるか

採用管理システム機能の主な分類には「求人管理」「応募者管理」「選考管理」があります。

3-2-1 求人管理機能の特徴

求人管理機能とは、就職関連媒体と連携して応募者の自動取り込みを行う機能です。自社が利用している求人媒体を把握したうえで、連携の有無を確認する必要があります。

3-2-2 応募者管理機能の特徴

応募者管理機能とは、応募者とのやり取りを行う機能です。前述したように、新卒採用など若い世代を対象にしている場合は、LINE連携機能などがあると良いでしょう。

3-2-3 選考管理機能の特徴

選考管理機能とは、応募中や面接調整中など、選考状況の管理を行う機能です。Web面接やチャットツールのような外部システムと連携できると利便性がアップします。

3-3 無料トライアルがあるか

採用管理システムを選ぶ際は、操作しやすいかどうかという観点も大切です。パソコンスキルのある一部の社員だけでなく、誰でも直感的に利用しやすいこともポイントといえます。

システムの使用感を確認するには実際に利用し、操作性や可視化機能を確かめることが重要です。無料トライアルに対応しているシステムを選び、事前に確認しておくと良いでしょう。

3-4 セキュリティーは安心できるか

採用管理システムは応募者の氏名、住所、電話番号などの個人情報を扱うため、セキュリティー対策の徹底は重要なポイントです。

社内でシステムを構築するオンプレミス型と比較すると、インターネットを介して利用するクラウド型は、セキュリティーに留意する必要があります。システムの供給元であるベンダーへの依存度が高くなるからです。

IDやパスワードの管理方法や管理者の権限制限についても、事前に確認しておく必要があります。

3-5 導入や運用後のサポート体制は整っているか

採用管理システムの中には、導入にある程度時間がかかったり、使いこなしづらい機能が含まれていたりすることがあります。その場合に、わかりやすく説明してくれるサポートが必要です。

また、システムを導入した後、運用段階や運用後のトラブル発生に対応したサポート体制が整っているシステムを選ぶことも重要です。

3-6 アプリや就職関連媒体との連携状況

前述したように、採用管理システムによって連携している求人媒体は異なります。自社が利用する求人媒体が連携していない場合、求人管理がスムーズに機能しない可能性があります。メールやアプリなど、どの媒体に対応できるかを確認しておくことが大切です。

また、LINEなどのアプリとの連携に関しては、チャットボットによる自動送信の有無や、応募者情報を取り込めるかどうかなども確認しておくと良いでしょう。

4. 効率化に活用できる採用管理システム4選

採用の工程管理がメインの採用管理システムを4つ紹介します。

  • ACCESS ON LINE(マイナビ)
  • ジョブスイートキャリア
  • HRMOS採用
  • リクナビHRTech採用管理

それぞれの特徴を把握し、自社のニーズに合った採用管理システムを選ぶための参考にしてください。

4-1.【新卒採用向け】ACCESS ON LINE(マイナビ)

ACCESS ON LINE(マイナビ)は新卒採用の応募受け付け、情報管理、選考管理をワンストップで管理できるシステムです。主な機能の特徴として、予約管理やレーン管理などのオンライン化、見やすいPDF帳票、一貫した応募者管理、マイナビとの連携、ライブ配信型Webセミナーとの連携などがあります。サポートは導入段階とサービス開始後に対応しています。

4-2.【中途採用向け】ジョブスイートキャリア 

ジョブスイートキャリアは中途採用の実務にこだわった採用管理システムです。主な機能として応募受け付け、選考管理、外部サービスとの連携に対応しています。例えば応募受け付けでは、システム上で募集職種を管理できる機能や、人材紹介会社の応募者情報を受け付けるエージェント管理などがあります。サポート体制の特徴として、電話での対応も行っています。

4-3.【中途採用向け】HRMOS採用

HRMOS(ハーモス) 採用はビズリーチが提供する採用管理システムです。採用業務工数を削減できる可能性があります。主な機能の特徴として、ビズリーチの候補者データとHRMOS(ハーモス) 採用の自動連携、日程調整の簡便化、面接・評価の自動リマインドなどがあります。

データの見える化によって採用課題が把握でき、改善効果が期待できるという特徴もあります。サポート体制の特徴として、専任のコンサルタントから事例やノウハウを提供してもらえます。

4-4.【中途採用向け】リクナビHRTech採用管理

リクナビHRTech採用管理は選考状況を一元管理できる採用管理システムです。ユーザーアカウントや紹介者の登録数無制限、シンプルな画面設計という特徴があります。主な機能として候補者情報の一元管理以外にも、システム上の日程調整、選考データの集計・分析に対応しています。

5. 【応募者の適正管理が可能なツール】HYOUMAN BOX

採用管理システムで採用管理の効率化を図るだけではなく、人材採用時の適性検査を実施したり、採用後にそれぞれのスキルを発揮できる職種やポジション、環境を整えたりすることが大切です。

HYOUMAN BOXは採用管理の一端として応募者の適正を把握できるサービスです。適切な採用者のアサインなど人材採用の判別から社内人材の成長まで実現できます。

主な機能の特徴として、応募者や社員の深層部分(性格や社会性など)の定量化、ダッシュボード機能による部署ごとの見える化、アセスメントサーベイの定期受験による経年データの表示、多様な分析(比較分析、PD分析、PM分析など)があります。

無料トライアルにも対応しており、アカウント初期設定シートにトライアル受検者情報をご記入するだけで手軽にトライアルが可能です。導入に関して詳しくはお問い合わせください。

6. 採用管理システムの運用で効率化を図ろう

採用管理システムとは、採用活動で必要な業務を一元管理できるシステムです。エクセルで管理する方法もありますが、採用管理システムを利用することで、選考・採用活動の効率化やデータの可視化、本質業務への注力が可能になります。

採用管理システムを選ぶ際は、採用形態や運用目的に合った機能、無料トライアルの有無、セキュリティーとサポート体制、アプリや求人媒体との連携を考慮することがポイントです。

HYOUMAN BOXは実績に基づいた高度なヒューマンスキルの分析や、定期的な適性検査が可能なAI アナリティクスサービスです。人材採用や配属、育成のための適切な判断を行います。感覚的な人事採用から脱却し、効果的な人事施策をお考えの方は、ぜひ無料トライアルをお試しください。

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