ベストな人材を採用する面接の極意とは? 応募者の資質を知る質問の仕方をマスターしよう

従来の人事採用では、履歴書での判断に加え、対面での面接で応募者の話し方や仕草からその人となりを把握することが、最適な人材を採用するに必要なステップとされてきました。
しかし、このコロナ禍で面接がオンライン原則となったことで、採用の質低下が新たな課題となった企業もあるのではないでしょうか。

今回は、オンラインでも対面での面接同様に応募者の資質を見極め、優秀な人材を確実に採用するためのチェック項目と、応募者の本音を引き出せる質問内容を確認しましょう。

【人材採用が困難なのは全世界の共通課題】

人材採用が難しくなっているのは、日本だけの問題でありません。
まずは、世界の現況をお伝えします。

● IT先端技術分野での人材争奪戦は熾烈

メタバースなど新規技術への移行が急速に進むIT業界において、事態は深刻です。
先端技術の進化は急ピッチで、それに伴走できているエンジニアは世界的に見てもひと握り。
その少ない優秀な人材を全世界で取り合うので、いまや人材確保には高待遇が切り札です。

米Amazon社は2022年内に、エンジニアの基本給の上限を年収4,000万円に引き上げると発表しました。
今後、ITエンジニアの人材争奪戦はさらにヒートアップしていくでしょう。
こうした外資系企業での年収引き上げに、日本企業は残念ながら追いつけていないのが現状です。

●日本では少子高齢化問題も深刻

IT人材の確保だけでなく、少子高齢化問題も、日本では人材確保の重い足枷になっています。
1971〜1974年の第2次ベビーブームに生まれた団塊ジュニア世代は、その親世代の団塊世代につぐ人口を有しており、現在は労働力にカウントされています。
しかし、その団塊ジュニア世代が皆65歳以上になる2040年には高齢者数がピークとなり、労働力が著しく低下し、労働力不足が深刻化すると考えられます。

業務引き継ぎが必要なのに、引き継ぐ人がいない状況はもう始まっており、人材確保が円滑にできない限り、存続の危機に陥る日本企業が今後、増加すると考えられます。
もちろん、先端技術のエンジニアも必要ですが、必要な人数確保のため継続した採用活動を余儀なくされているのです。

【オンライン面接で面接官が気をつけたいポイント4つ】

採用面接での面接官の役割とは、必要な情報を応募者から聞き出し、また、応募者に提供することで、応募者の本音を引き出した上で、企業が求める資質がその人にあるかどうかを判断し、採用基準項目の判定をすること。
オンラインでの採用面接では対面面接とは異なる留意点もあるので、紹介します。

● 面接時はカメラ目線と角度に注意

オンライン面接では相手の目を見るかわりに、カメラに目線を向けるのが基本になります。
目線と同じ高さにカメラのレンズがくるようにセットしましょう。
対面面接のように相手の顔を見てしまうと目線が合わなくなり、相手に不安を与えることもあるので注意が必要です。

相手が映っているウィンドウを縮小してPCのカメラの下におくと、相手とカメラを同時に見ることができます。

● 場作りトークは長めに

相手の緊張をほぐすために面接本番にすぐには入らず、雑談などの時間を対面での面接時よりも多く取るのが、オンライン面接を円滑に進めるコツです。
相手が本音トークできる環境整備に努めましょう。

● リアクションはおおげさに

対面面接より大きなリアクションをすることが大切です。
1回の面接で、30回はあいづち(うなずき)を打つつもりで臨みましょう。
表情も意識して変えるようにします。
「なるほど」などと声であいづちを入れると、相手の声と被るときがあるのでご注意を。

● 事実で判断

オンライン面接では、カメラ越しに見る相手の第一印象に引っ張られる傾向があります。
しかし、あくまでも応募者の語る転職理由や志望動機、今まで取り組んできたことの成果に、そのプロセスも含めて着目するようにしましょう。
動画映りの良さではなく、事実で人となりを判断するべきです。

【採用面接のフェーズごとに質問内容を変えてみる〜ブレない選考を行うために】

採用にあたって、企業や人事担当者がもつ最大の悩みは、面接官ごとに評価基準の差があるために生じる問題。

一次面接では高評価なのに、最終面接で不採用になるといったことが起こり得ます。

しかし、現場で働く経験の少ない経営者にとって、応募者の仕事に対する技量や知識の判断は難しいため、無理もないことです。

この解決策として、評価項目を分け、それぞれの面接官が判断できる内容を割り当てることで、選考にブレが出にくくなると考えられます。

では、分担はどのようにすればよいでしょうか。

応募者について確認すべきポイントには、次の4つが考えられます。

  • 思考、価値観
  • 行動特性
  • 技量
  • 知識、知見

これらのポイントから「思考、価値観や行動特性」=タイプ、「技量、知識、知見」=スキルとまとめ、このタイプ、スキルという2つの評価項目をそれぞれ適切な面接官が判断することをおすすめします。

●「タイプ」と「スキル」とは

タイプとスキルについて、もう少し掘り下げて確認しましょう。

 ・タイプ

「企業が求める価値観や行動特性を持っているかどうか」がタイプです。
応募者の人柄や資質を鑑みた上で、応募者にモチベーションがあるか、企業が求める人材かを判断します。
ただし、職務経歴書からの判断は難しいので、面接時の会話の中で確認することになります。
役員面接などの最終面談時に重きを置かれるべきでしょう。

 ・スキル

とくに中途採用の場合にはスキルに注目されることが多く、履歴書や職務経歴書からも判断できます。
たとえば、前職で責任者として新規事業を立ち上げ、事業を軌道にのせた、という経験や、商材や業界の知見がある、ということもスキルです。

新卒の場合は、学業で得た専門知識などがスキルになります。
スキルの判断は、現場を担当する社員が面接官を務めるであろう一次面接でフォーカスされるとよいでしょう。

●タイプとスキルに分けるアドバンテージ

評価項目をタイプとスキルに分けて判断することで、面接官は自身が知見を持つ項目の評価に絞れます。
正しい判断をするためにどんな質問をすべきかの判断がしやすくなるでしょう。

結果、曖昧な評価が減り、採用の選考がブレにくくなります。
採用後のミスマッチを防ぐことにもつながるはずです。

【成功する質問とは】

欲しい人材を採用するために、採用面接ではどのような質問をすればよいのでしょう。
場面ごとで考えてみましょう。

●面接開始の場作り

採用面接は誰でも緊張するものです。
しかも、オンラインでは相手の表情が捉えにくいので、なおさらでしょう。
まずは、業務に無関係な天候の話や、一般的な質問で応募者の緊張をほぐしましょう。
オンライン面接の場合、場作りを長めに行います。

質問例:

  • 「コロナワクチン接種はもう受けられましたか?」
  • 「北京オリンピックのスノーボード、すごかったですね。あなたは何かウインタースポーツをされますか?』

ポイント(共通):簡単な質問を何度かやりとりをして、応募者の緊張をほぐす。

●コミュニケーションスキルの確認

ほとんどの企業では、職種問わずにコミュニケーションスキルを重視するのではないでしょうか。
必要なコミュニケーションが円滑に取れるかどうかを確認するための質問です。

質問例:

  • 「社内の風通しをよくするには、何が大切だと思いますか? コミュニケーションを円滑にするために、何らかの取り組みをしたことがあれば、その内容を教えてください」

ポイント:応募者のコミュニケーションに対する考え方を確かめる。深掘りして、模範解答を参考にした作り話なのか、自身の経験なのかを明らかにする。

  • 「苦手な同僚や上司との話をうまくまとめる施策をお持ちですか? お持ちであればぜひ教えてください』

ポイント:誰とでもコミュニケーションを取れる術があるかどうか。

●志望動機や仕事観

入社後、クイックスタートできるかどうかは、中途採用者を決定する重要ポイントのひとつです。
仕事に対して高いモチベーションがあるか、また成長できる人材かを判断します。

質問例:

  • 「当社に関してどのようなイメージをお持ちですか? 入社後はどのような仕事がしたいですか?」

ポイント:企業や業界について勉強しているか。入社意欲は本当にあるのか。

  • 「仕事をする上で大切にしていることは何ですか?」

ポイント:応募者の仕事観を理解する。

●スキルマッチ

質問を通して実務レベルの程度や、即戦力になり得るかを見極めます。

質問例:

  • 「あなたのご経歴の中で、当社でも活かせるスキルや経験は何でしょうか? 具体的に教えてください」

ポイント:経歴とのマッチ度を確認する。

  • 「経験のあるビジネスツールについてお聞かせください? またどの程度まで使えますか?」

ポイント:応募書類に記載された内容と合致するかを確認する。

●ストレスへの耐久力

負荷のかかる業務でのストレスを乗り越えられる人材であるかどうかの見極めは、長期定着できる人材であるかの判断材料にもなりえます。

質問例:

  • 「クライアントから無理な要求をされたらどう感じますか? またどう対処しますか?」

ポイント:自分がストレスを抱えないために対処できるかどうか。

  • 「あなたのストレス解消法はなんですか?」

ポイント:嫌な気持ちをいつまでもひきずらないで、オフには気持ちの切り替えが直ちにできるかどうか。

●志向性

明確なキャリアプランがあり、どこまでも成長していこうという気持ちのある人材を採用したいもの。
最初に応募したポジションで活躍できるかを見極めます。

質問例:

  • 「仕事のやりがいを感じるのは、どんなときですか?」

ポイント:応募者がやりがいを感じられる場が、入社後のポジションにも存在するか。

  • 「入社後はどんなことがやりたいですか?」

ポイント:応募したポジションがやりたいこととあっているかどうか。

●定着性

人材確保が困難な今、採用した人材には長く就業してもらいたいところ。
長期定着し、継続して活躍できる人材かどうかを見極めます。

質問例:

  • 「転職しようと思った理由はなんでしょうか?」

ポイント:入社後、前職と同じ理由で辞めてしまわないかの確認

  • 「当社でやってみたい仕事は具体的にありますか?」

ポイント:将来の具体的な目標を持っているかどうか。

【面接で聞いてはいけない質問もある】

採用面接で話がはずんでくると、無意識に、聞いてはいけない質問をしてしまうことも。
面接官の心無い質問のせいで、入社に対する応募者のモチベーションがなくなることもありますし、企業ブランドを傷つけることになりかねません。

採用面接では職務に対する適性を確認する質問のみ行ない、次に上げる内容の質問は絶対にやめましょう。

●就職差別につながる質問

本籍地や出生地に関すること、家族のこと、宗教や支持政党などについての質問は、厚生労働省が公正な採用選考の基本で「本人に責任のない事項の把握」と定めています。
違反すると、職業安定法に基づく改善命令を出される場合があります。

●パワハラ、セクハラまがいの質問

「今、彼氏(彼女)はいますか」や、「XX大学の〇〇学部って、受験すれば誰でも入れる大学ですよね」など、面接官は冗談のつもりでもハラスメントになる恐れのある質問はNGです。
訴えられれば違法行為と認められる可能性があります。

【採用を成功させるためには、データ活用も重要】

採用面接の成功率を向上させるための支援策として、IT活用も視野に入れてみましょう。

●採用面接の運用改善だけでは不十分

採用面接の運用を改善することで、欲しい人材が採用できる確率が上がることは間違いありません。
しかし、誰もが公平に判断しているつもりでも、面接官の主観が合否に影響することはゼロではないのが、依然として採用担当者のネックといえるでしょう。

●データ活用で客観的にも判断するのがベター

採用活動にもIT活用が有効といえます。
職種ごとの応募者の傾向などを分析し、その結果をデータベースに格納していけば、次の採用面接で役立つはず。

加えて、既存社員それぞれが有するタイプとスキルの傾向の分析結果をデータベース化するのも有効です。
活躍している既存社員のデータから、次にどのような人材を採用すべきか、具体的な採用ターゲットが見えてきます。

【まとめ:採用面接を成功させて、優秀人材の確保を】

入社後に活躍してくれる人材を確実に獲得するためには、目的に合った的確な質問を投げかけ、応募者の本心をつかむことが重要です。
そのためにも、相手に好印象を与え、スムーズに進む採用面接を行なえるよう努めましょう。

弊社の提供するHYOUMAN BOXなど、パーソナリティや企業カルチャーを定量化できるツールを活用し、客観的データを人事判断に加えれば、採用面接の成功率向上につながります。
ぜひご検討ください。

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