【人事向け】適性検査の種類や例題とは?具体的な問題や選び方、実施時の注意点を解説

良い人材を採用するべく、適性検査の導入を検討している人事担当者は多いのではないでしょうか。いざ導入しようと思っても、具体的な方法に悩みますよね。例えば、適正検査の種類の選定はどうすれば良いのかなど、ポイントは多岐に渡ります。

本記事では、適性検査の種類や例題を紹介。また実施時の注意点や、導入すべき適性検査の選び方も解説します。

【適性検査には2種類ある!問題例と合わせて紹介】

「適性検査」の導入を検討していても、どのようなテスト内容なのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。

適性検査は「能力検査」と「性格検査」の2種類があります。まずはそれぞれの検査の出題内容と、問題例を紹介します。

●能力検査|情報処理力や一般常識を測る検査

情報処理力や一般常識を測るための検査が「能力検査」です。

能力検査は、英語、語彙力、文章読解などの問題から、言葉の意味や話の内容を的確に捉えられるのかを判断する「言語分野」。計算や数学の問題から、論理的思考力があるのかを判断する「非言語分野」の2種類の問題が出題されます。

・能力検査の例題

言語問題では以下の内容を問う問題が出題されます。

  • 二語の関係
  • 語句の意味
  • 語句の用法
  • 文の並び替え
  • 空欄補助

例えば、語句の意味では「手中におさめる」「役不足」など言葉の意味を選択肢から選びます。

非言語分野では、以下の内容を問う問題が出題されます。

  • 鶴亀算
  • 代金の支払い
  • 集合
  • 確率
  • 表の読み取り
  • 資料の読み取り
  • 場合の数
  • 推論
  • 速度算
  • 損益算

例えば確率の問題の場合、「サイコロを5回連続で振ったときに出た目が5回連続同じになる確率はいくらか」といった内容です。

非言語分野は計算問題がほとんどですが、計算結果を回答するのではなく、言語問題同様、選択肢から選んで回答します。

●性格検査|考え方や価値観などその人を知る検査

人間性や価値観・考え方、ストレス耐性などを測るための検査が「性格検査」です。回答者の性格や特性などを定量化し、社風、企業文化とあうかどうかを確認するために行われます。

・性格検査の例題

性格検査では、以下のようなAとBの内容から近いものを選ぶ問題が出題されます。

  • A.ひとりで成し遂げたときに達成感を感じる
    B.チームでやり遂げたときに達成感を感じる
  • A.買い物をするときは直感で決める
    B.気に入ったものでもよく比較検討してから購入する

また、以下のような問いに対して「そう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそうは思わない」「そう思わない」などの段階別に回答する問題もあります。

  • 落ち込んでもあまり引きずらないほうだ
  • 流行やトレンドに敏感な方だ
  • 粘り強いタイプである

【適性検査の2種類ある回答方式】

適性検査の中でも「性格検査」は、回答方式が2種類あります。それぞれの回答方式の特徴とメリット・デメリットについて解説します。

●ノーマティブ方式|受検者が簡単に回答できるが人物像が捏造されやすい

受験者が「はい」か「いいえ」で回答するものや、3〜5段階での回答をするものは「ノーマティブ方式」と呼ばれます。

受験者は問題の内容を素早く判断できるためスムーズに回答できますが、理想の人物像に合わせて回答を操作できることがデメリットだと言われています。

・ノーマティブ方式の例題

  • A.休みの日はアクティブに過ごしたい 

B.休みの日は家でゆっくり過ごしたい

  • A.ルールは守らなければならない
    B.時と場合に応じてルールは破ってもよい

「Aに近い」「どちらかといえばAに近い」「どちらでもない」「どちらかといえばBに近い」「Bに近い」の中から選択します。

  • こだわりが強いほうだ
  • グループの中心にいるタイプだ

「そう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそうは思わない」「そう思わない」の中から選択します。

●イプサティブ方式|受検者の人柄が見えやすいが回答する側は大変

当てはまるものを選択するノーマティブ方式に対して、複数の選択肢の中から「最も当てはまるもの」もしくは「当てはまらないもの」を選択させる方式が「イプサティブ方式」です。

ノーマティブ方式に比べて意図的に回答を操作しにくいですが、受検者が回答に悩むというデメリットもあります。ノーマティブ方式と比較して、イプサティブ方式のテストは少ないため、どちらの形式でテストを行いたいのか検討してから、テストを選ぶのもよいでしょう。

・イプサティブ方式の例題

  • 次の選択肢の中で、最も当てはまらないものはどれですか?
  • 次の選択肢の中で最も当てはまる項目を選んでください
    積極的 / 好奇心が強い / ポジティブ / 慎重 / 我慢強い / 責任感がある

【適性検査の受験方法とは?種類とメリットデメリット】

適性検査には、主に4種類の受験方法があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを把握して、受検方法を決定しましょう。

●マークシートによる筆記試験

特定の会場に出向いて、マークシートによる筆記試験を行う形式は、カンニングや代理受検などの不正を軽減できるメリットがあります。

一方、会場の設営やスタッフの手配、また結果が出るまでに時間がかかることなど、コスト面での負担がデメリットだといえるでしょう。

●テストセンター

全国各地に設けられた「テストセンター」での受検は、委託費用はかかりますが、会場の設営、パソコンの準備、試験監督や受付などのスタッフの手配を行う必要がありません。また、パソコンを使って行うため、筆記試験と比較して結果が出るまでの時間が短縮されます。

筆記試験に比べて時間や費用面でのコストが少ないことが、企業にとって大きなメリットです。

●WEBテスト

企業と受検者の双方のメリットが大きいのがWEBテストです。受検者は自宅から受検できるため、地方や海外からの受検も叶います。

ただ、監督する人がいないため、カンニングや代理受検などの不正が行われる可能性もあることに注意や対策が必要です。

●インハウス

企業側で会場やパソコンを用意して適性検査を行うことを「インハウス」とよびます。少人数のみのテストをする場合や、すぐに結果を知りたい場合に適しています。

【適性検査の実施時に人事担当者が注意しておきたいこと】

適性検査の結果を十二分に活用するためには、以下のポイントを抑えておくことが重要です。適性検査の実施時に知っておきたい内容を押さえておきましょう。

●受検者は対策をしたうえで受験をしている

受検者は、企業分析を通して企業が求める人物像について把握しており、それに合わせて回答を操作している可能性があることを理解しておくことが前提です。

嘘をついていないか見抜く「ライスケール」の結果や、回答に矛盾した部分が出ていないか、一貫性があるのかも確認する必要があります。

●検査結果の基準を明確にしておく

適性検査はただ検査をしただけでは採用に役立てることは難しいもの。事前に、自社がどのような結果を基準とするのか明確にしておくことが重要です。

能力検査の結果だけではなく、性格検査も重視する必要があります。性格検査は、どのような人材が自社とマッチするのか理解する必要があるため、事前準備を欠かさないようにしましょう。

●入社した社員を定量的に確認し、その後の採用活動に活かす

適性検査は採用時のみ利用するのではなく、入社した後も定量的に観測し、その後の採用活動に活かすことでよりマッチングの精度を上げていけます。

新入社員のみに行うのではなく、自社の従業員の特長も把握することもポイントです。

●採用後の活用も見込んだ上で選択する

適性検査を継続的に行うためには、入社後の利用も前提になっているテスト・ツールを選ぶことがおすすめです。配属やチーム編成を決めるときにも役立つでしょう。

【適性検査の実施前には採用すべき人物像の明確化が重要】

自社に必要な人材を把握する基準を作成する場合は、まず自社で活躍している社員の特長や、チームの特長を把握することが重要です。

人材マネージメントサービス「HYOUMAN BOX」では、従業員のパーソナリティや、企業の持続的成長に必要なヒューマンスキルを定量化するだけでなく、部署や会社に所属している人材タイプの割合まで算出できます。

このような入社後も継続的に利用できる人材マネージメントツールを活用することで、会社や部署に必要な人材を、感覚ではなく客観的データから判断できるようになるでしょう。

【まとめ:適性検査を活用して、自社にマッチした人材を採用しよう】

適性検査の効果を最大化させるには、導入目的を明確するだけでなく、入社後のマネジメントにも活用できるツールの活用や、運用体制を整えることが重要です。

本記事を参考に、自社に必要な人材・活躍している人材を定量的に把握してみてはいかがでしょうか。

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