アセスメントとはなにか?意味とプロセス、人材アセスメントの特徴も解説

「近ごろ人事業務の場で、“アセスメント”という言葉をよく耳にするようになった」このような方も、多いのではないでしょうか。アセスメントは多くの分野で使われる用語ですので、この機会に意味を把握し、業務に役立てましょう。

この記事ではアセスメントが示す意味やプロセス、人材アセスメントの特徴を取り上げ、解説していきます。

【アセスメントとはなにか?】

まず「アセスメント」という用語が示す意味と使われている分野について、確認していきましょう。

●「評価」「査定」という意味を持つ

アセスメントは英語の「assessment」を語源としており、以下の意味を持っています。

  • 客観的に評価する
  • 客観的に査定する
  • 周囲におよぼす影響を評価する
  • 事前評価する

「目で見てすぐにわからない内容や項目を、数値などを使って可視化する」という意味を含む用語です。アセスメントは、根拠のある決定を下す際に役立ちます。

●さまざまな分野で使われている用語

「アセスメント」は幅広い分野で使われています。代表的な例は以下のとおりです。

  • 人事や組織
  • リスク管理
  • ITやテクノロジー
  • 政策
  • 医療
  • 福祉
  • 教育

アセスメントは、これからの企業活動に欠かせません。個々の社会人も知っておくべき、基本的な用語といえるでしょう。

【アセスメントを行う4つのプロセス】

せっかくアセスメントを行うならば、業績の拡大に役立てたいもの。アセスメントを適切に行うためには、4つのプロセスを踏むことが有効です。それぞれのプロセスでなにを行えばよいか、順を追って解説します。

●目的を定め、実施方法を決める

他の業務と同様に、アセスメントにおいても目的を定めることは重要です。貴社はアセスメントに、なにを期待するのでしょうか。効果を上げるためには、以下の項目を踏まえて決めることがおすすめです。

  • 評価したい内容
  • 業務や業績における目標
  • 達成したい目的や効果

目標や目的が決まったら、具体的な手法を考えましょう。アセスメントの対象項目を決め、どの情報をどのような手段で集めるか、どのタイミングで誰に実施するかを決定します。その際は項目ごとに評価基準も決めることで、客観的な判断を行えます。情報を集めてから評価基準を決める方法は、恣意的な判断をしやすくなるリスクがあるため避けましょう。

収集する項目は網羅的に、かつ多方面から集めましょう。都合のよい項目だけを見ないことで客観的な判断を行え、正しい事業運営に役立ちます。

リスクアセスメントは自社で実施するか、専門業者を活用するかの判断も必要です。目標や目的が決まった段階で専門業者に相談し、リスクアセスメントのサービスを活用することもおすすめです。

●必要な情報を集める

アセスメントの方法と調査項目が決まったら、必要な情報を集めましょう。代表的な手法を、以下に示しました。

  • 対面し、本人から直接ヒアリングする
  • 本人と関わり合いのある方からヒアリングする
  • 調査用紙を使い、郵送で回答を求める
  • Webやメールを活用する

人事や性格に関わる分野では、本人すら意識していない項目を収集する場合もあります。この場合、直接ヒアリングしても必要な情報は得られません。適性検査などを活用し、本人すら気づかない項目も収集できる手法を選ぶ必要があります。

●評価や分析を行う

情報収集が終わったらデータを分析し、あらかじめ定めた基準に則り評価を行います。「基準に到達しているか、基準未満か」の二択となる場合もあれば、点数をつけて評価する場合もあります。

評価が終わったら、今回のアセスメントが目的の達成に資するものであったかチェックすることも重要です。課題が見つかった場合は、よりよいアセスメントの実現に向けた改善が求められます。

●フィードバックを行い改善につなげる

アセスメントはフィードバックを行うことで、はじめて改善につなげることが可能です。アセスメントの対象者は、課題を認識していない場合が多いもの。どの項目をどのように改善すべきか、具体的に提示すると効果を上げやすくなります。

またアセスメントを実施した結果、組織の改善が必要となる場合も少なくありません。この場合はすぐ改善できる項目と中長期的な改善項目に分けたうえで、重要度に応じて対応することをおすすめします。有識者によるアドバイスを受けることも、よい方法の一つです。

【人事業務で使われる「人材アセスメント」の特徴】

人事業務において、人材の有効活用は企業の発展を左右する鍵です。ここからはアセスメントのなかでも「人材アセスメント」に照準を合わせ、4つの特徴を確認していきます。

●人材アセスメントが持つ意味と目的

人材アセスメントは、社員一人ひとりの特性や能力を客観的に評価し、可視化することを指します。人材アセスメントの結果は、以下の用途に使われます。

  • 昇格や昇給、管理職登用の決定
  • 配属先や異動先の決定
  • 採用者の決定

人材アセスメントは半年に1回など、定期的な実施が必要です。推移を継続的にチェックすることで、改善が図られているか、あるいは悪化しているかを確認可能。より有効な対応を早期の段階から行えます。

加えて、特定の項目が重視される場合もあります。たとえば現場のリーダー職に抜擢する場合は、リーダーシップの有無が重視されるでしょう。

人材アセスメントは、客観的な視点での評価が求められます。このため専門業者によるサービスがよく選ばれます。

●人事評価との相違点

人材アセスメントと人事評価には、違いがあります。人事評価は、上司や人事部門により行われます。成果など、可視化された部分にフォーカスすることが特徴です。一方で、評価される方が持つ潜在的な能力を評価できない課題があります。

人材アセスメントは、対象者の特性や能力を可視化する手法です。表面にあらわれず業務に活かせていない項目も、レポートでチェックできる点は大きなメリット。人事評価では得られない情報も入手でき、適材適所の配属を実現します。

●人材アセスメントの活用で得られる4つのメリット

人材アセスメントの活用により、以下のメリットが得られます。

  • 適材適所の人事を行い、企業の発展に貢献できる人材を抜擢できる
  • 納得度の高い公正な評価の実現
  • 離職率の低下
  • 能動的な従業員が増え、生産性もアップする

会社全体の雰囲気は良くなり、モチベーションも大きくアップすることでしょう。従業員の持てる能力を最大限に活かし、社業の発展につなげられるメリットは見逃せません。

●人材アセスメントでよく用いられる4つの評価方法

人材アセスメントでは、さまざまな評価手法が役立ちます。主に使われる手法は、以下の4つです。

手法概要
適性検査あらかじめ設けられた設問に回答し、性格や知的能力、職種への適性などを判断する手法
360度評価上司のみならず同僚や部下など、仕事で関わる従業員が評価する手法。多面評価とも呼ばれる
アセスメント研修人事業務に精通した専門家により、参加者を評価してもらう手法。第三者の視点を学べる点がメリット
エニアグラム性格を9つのタイプに分けて診断する手法。職務適性の判断に適する

 

それぞれの手法を検討し、目的に合った方法を選びましょう。

【人材アセスメントには「HYOUMAN BOX」の活用がおすすめ】

従業員の性格や資質、職務への適性を知りたい場合は、HYOUMAN BOXの活用をおすすめします。HYOUMAN BOXは、ヒューマンスキルを診断するサービス。以下の特徴があり、従業員も気づかない強み・弱みの発見に役立ちます。

  • コミュニケーション能力やリーダーシップなど、組織で働く能力を数値で診断する
  • 創造性や創意工夫力といった、組織を変える力も診断できる
  • 他の社員や他の部署と比較でき、課題を見つけやすい
  • 過去の結果と比較でき、推移をチェックできる

ヒューマンスキルは言語化が難しい能力ですが、HYOUMAN BOXなら数値で結果を表示します。強みと弱みをわかりやすく示せるため、強化すべき項目が一目瞭然で把握可能です。客観的で公平な評価を実現し、企業の活力を高めます。

【アセスメントの意味を理解し、適切な手法の選択を】

アセスメントは意味を理解し適切な手法を選ぶことで、目的を果たすことが可能です。人材アセスメントの場合は従業員の満足度向上と人材の有効活用、業績の向上が期待できます。

人材を活かすためには、明確な目的の設定と適切な手法の選定が重要です。従業員の特性や能力を事業運営に活かすためにも、HYOUMAN BOXの導入をご検討ください。

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