ユーザーからの問い合わせや相談などに自動で対応し、ビジネスシーンでの利用が増えているのがチャットボット。リーズナブルにチャットボットを作成するため、まずは無料作成ツールの活用を考える方が少なくないと考えられます。
今回は無料ツールでチャットボット導入を行う上で、知っておくべきことを確認しましょう。
【無料でチャットボットを作成する方法】
チャットボットとはウェブサイトやSNSなどに設置し、プログラム(ロボット=ボット)が人の代わりに、年中無休かつリアルタイムで問い合わせ対応を行う自動会話ツールのことです。
チャットボットについては、こちらもぜひご一読ください。
無料でチャットボットを作る方法は、おおまかに3通りありますので確認してみましょう。
●APIを使う
一つ目はFacebookやLINEなどが提供するチャットボット用API(Application Programming Interface=アプリケーションプログラミングインタフェース)を利用して作成する方法です。APIの利用はほとんどの場合無料、プログラムスキルも不要で比較的簡単にチャットボットを作成できます。
しかし使いたいプラットフォームごとにチャットボットを設定する必要があり、マルチプラットフォームで運用することは不可能です。
●チャットボット開発フレームワークを使う
二つ目はAmazon LexやMicrsoft Bot Frameworkに代表される、チャットボット開発フレームワークを活用する方法。既存のフレームワークを使うので、ゼロからプログラムを開発する必要はありません。自由度が高い上に多くのフレームワークにはAI機能が搭載され、マルチプラットフォームでの運用も可能なので高性能なチャットボットが作成できます。
一部のフレームワークの使用は無料ではなく、フレームワーク活用にはシステム開発の知識とスキルが必要で、マニュアルやサポートが日本語対応されてない場合もあるので注意しましょう。
●無料のチャットボット作成ツールを使う
三つ目は無料のチャットボット作成ツールを使う方法です。もっとも簡単にチャットボットが作成できます。プログラミングの知見は不要なので、チャットボット作成が初挑戦でも成功できるはずです。
【無料のチャットボット作成ツールの選び方】
無料のチャットボット作成ツールはどのように選べばよいでしょうか。
●選択ポイント
通常チャットボット作成ツールの選択には、自社でのチャットボットの使い道を明確化し、必要な機能や連携したい外部システムなど洗い出した上で、チャットボットタイプはルールベース型かAI型のどちらが適切なのかを定めることから始めます。チャットボットタイプの詳細はこちらをご参照下さい。
機能制限のある無料ツールの比較には、運用できるプラットフォームは何か、必要な機能はカバーされているか、有料プランへの移行が可能かなどが重要な選択ポイントです。
●無料で使えるチャットボット作成ツール
今回は無料で使える2つのツールをご紹介します。
マーケティング、セールスから、CMS、カスタマーサービス、オペレーションまでカバーするのがHubSpot CRMプラットフォーム。このプラットフォーム内で提供される無料版にも、機能制限付きチャットボット作成ツールが搭載されています。GmailやMicrosoftOffice365などと連携が可能で、チャットボットのテンプレートが複数用意されているので、自社の目的にあったテンプレートを選択してチャットボットを作成できますしある程度のカスタマイズも可能です。ただし、チャットボットを本格的に活用するには無料版では機能が足りません。
チャットのUIは簡単にカスタマイズでき、コーディングやプログラミングは一切不要なので、専門知識がなくても最短3分で問い合わせフォームが作成できます。しかもウェブサイト公開は1行のコードを貼り付けるだけ。ウェブサイト、LINE、Facebookメッセンジャーで利用可能です。しかしながら無料版で使える機能には制限があり、例えばビッグデータを使っての高度な分析はできませんし、全ての問い合わせを自動化することも困難といえます。
●無料のチャットボット作成ツールを使用する上の注意事項
気楽にチャットボットツールの作成ができる無料ツールですが、使用上の注意点があります。
・無料期間が決まっていることが多い
完全無料のチャットボット作成ツールは実は少なく、有料ツールにトライアル期間が設けられている場合が多いです。つまりずっと無料で使いたいというニーズを叶えられるツールは少ないのです。
・使える機能が制限されていることが多い
無料のチャットボット作成ツールでは、利用できるボット数が少なかったり、完全に自動化ができないなど、利用可能な機能が大きく制限されていることが多くみられます。チャットボットを期間限定で使用するならよいですが、長く活用したいのであれば無料ツールは不向きでしょう。
・日本語対応していないことがある
完全無料のチャットボット作成ツールは、海外ツールの可能性が高いため、ツールのUIやサポートが日本語対応ができていない場合も多々あります。チャットボットは導入した後も継続して改善する必要があるため、サポートに日本語対応がないのでは使うのが面倒になり、チャットボットを放置することになるかもしれません。
【チャットボット導入を成功させるコツ】
最後にチャットボットの導入を成功させるためのコツを確認しましょう。
●導入目的やユーザーターゲットを明確に
「競合他社がチャットボットを有効活用しているから我が社でも」といったあやふやな理由でチャットボットを導入しても成功しません。自社の問い合わせ対応の課題を洗い出し、チャットボットでどのように解決できるかを検証し、チャットボット導入の目的を明確にした上で、チャットボットのターゲットにするユーザー像を定めます。その結果自社に必要なチャットボットの種類や機能が明らかになり、チャットボットに設定するシナリオの作成もスムーズになるはずです。
●定期的なアップデート
チャットボット導入がゴールにあらず。導入後の運用こそが重要なのです。一度導入したチャットボットをより使いやすいものにするために、継続したアップデートが必要。定期的な作業を確実に行うには、チャットボット専任者を決めておくのが良い方法といえます。
●チャットボットの次のステップを用意
チャットボットのやりとりだけで解決できないパターンは多いので、次のステップを用意しておくべきです。ユーザーがメールや電話で連絡できるように、メールアドレスや電話番号を表示したり、カスタマーサポートメンバーにつながる仕組みがあると良いでしょう。
●長期に使うなら有料のチャットボット作成ツールを検討しよう
無料のチャットボット作成ツールを活用することで、コストをかけずにチャットボットの導入を気軽に行えますが、長期でチャットボットを運用する予定なら、QAロボットに代表される有料ツールの活用をおすすめします。
有料ツールならば機能制限の心配はありませんし、充実したサポートが受けられるはずですから、ツールの使い方でつまずいてもサポートがついているので安心です。
初めてのチャットボット導入で、まずはチャットボット作成ツールの使用感を確かめたい場合には、長めのトライアル期間を設けている有料ツールをためしてみましょう。実際に使ってみて自社に合わないと感じても、トライアル期間なら料金はかかりません。
【まとめ:今こそチャットボットで業務の効率化を】
24時間365日顧客対応ができることで、顧客満足度を向上させ、またカスタマーサポート業務の負担を減らすことで、従業員満足度の向上が期待できるチャットボット。
全世界のチャットボット市場は、今後益々拡大見込みと言われる今、チャットボット導入のベストタイミングと考えられますし、長期活用には有料ツールの活用がベストソリューションです。
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