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2022.7.01

マーケティング戦略にAIは活用可能か?マーケティングフレームワークとの関係を解説

企業が継続的に成長していくためには、優れたマーケティング戦略の立案が不可欠です。
近年では、効率的にマーケティングを行うために、AIを導入するケースも増加してきました。
ここでは、既存のマーケティングフレームワークを解説した上で、最新サービスとして注目を集めるAIをマーケティング戦略に活用した事例を紹介します。

そもそもマーケティング戦略とは何か?

ビジネスシーンにおいて、「マーケティング」や「マーケティング戦略」といったフレーズを、耳にする機会は多いと思います。
しかし、それらのキーワードの定義が曖昧な方もいるのではないでしょうか。
そもそも「マーケティング」とは、価値ある商品やサービスを創出し、顧客に届ける活動の全てを指すため、非常に幅広い意味を持つ言葉です。
そして、「マーケティング戦略」とは、どのように価値ある商品やサービスを生み出し、どのように顧客に届けるかを決定することです。
そのため、マーケティング戦略の立案には、自社のリソース分析はもちろんのこと、競合他社や市場の変化の継続的なモニタリングが必要不可欠になります。

従来は、マーケティングといえば新聞やテレビなどのマスメディアを介したメッセージが主流でした。
一方、現在はスマートフォン端末や情報通信技術などが大きく発展したために、顧客のニーズがますます多様化・細分化してきています。
そんな多様なニーズを満たすために、アプリやWebサイトなどのITサービスや、AIテクノロジーといった技術を用いた「デジタルマーケティング」が重要視されてきています。

マーケティングフレームワークとは?

上記にて紹介した通り、正しいマーケティング戦略立案のためにはさまざまな角度からさまざまな情報を集め、包括的な判断を下すことが求められます。
一担当者レベルでも時間と手間をかければ出来なくはありませんが、あまり効率的な進め方とはいえません。
実はマーケティング戦略立案には、思考の枠組みの公式のようなものがいくつか存在しており、それらを当てはめながら検討することが一般的です。
その公式となるのが、「マーケティングフレームワーク」と呼ばれるものです。

それぞれビジネスの現状分析・新商品立案などの各シーンに適したフレームワークが存在します。
細かく分けると相当な数に上るため、ここでは特に実践的な性格が強いものを紹介しつつ、AI技術とどのように関係しているかについても触れます。
それぞれ、マーケティング戦略立案段階や顧客行動分析の際に有用なフレームワークになるため、参考にしてみてください。

●STP分析

STP分析は、マーケティングフレームワークの中で最も基礎的な内容となるものです。
STPとはそれぞれSegmentation(セグメンテーション=細分化)、Targeting(ターゲティング=標的)、Positioning(ポジショニング=立ち位置)を表しています。
つまり、STP分析のゴールは、①市場を細分化し、②その中でどの層の顧客を狙い、③競合他社とどんな差別化を図るか、を明確に決定することになります。

新規事業の立ち上げや新商品開発の段階で着手するべきフレームワークですが、市場や顧客行動は日々変化し続けますし、競合他社の動きも一定ではありません。そのため、一度で完結するものではなく、定期的なフィードバックとマーケティングの軸の確認を行うことが重要です。
顧客ニーズの分析や各Webメディアにおける顧客行動などのビッグデータ収集および、AIによる解析は日々活用の幅が広まっています。
新たな商品やサービスが、AIによって開発されることも珍しくなくなりつつあります。

●4P分析

4P分析は、STP分析によって立案されたマーケティング戦略の施策に向けて、何をどのように顧客に届けるかをより具体的に検討するためのフレームワークです。
4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)のことです。
新商品の開発から、価格設定、チャネルや広告配信の最適化など、戦術面での施策を検討する段階で利用するため、AI技術の得意分野と言えるでしょう。
後述するレコメンドAIやダイレクトプライシングなど、AIによるデータ分析を導入ができれば、かなり精度を上げたマーケティング戦略立案が可能になります。

●AIDMA/AISAS/SIPS

AIDMA、AISAS、SIPSとは、それぞれ顧客が購買に向けてどのようなステップを踏んでいるのかを示すフレームワークです。
AIDMAはAttention(認知)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Aciton(行動)を表しています。
対してAISASはAttention(認知)→Interest(興味)→Search(検索)→Share(共有)を表しており、AIDMAの発展型ともいえるモデルです。
また、ソーシャルメディアに特化した購買プロセスとして、Sympathize(共感)→Identify(確認)→Participate(参加)→Share(拡散)の頭文字をとったSIPSというモデルも出現しつつあります。
AIDMAは1920年代に提唱されていることから、やや古典的なフレームワークです。
Web時代のデジタルマーケティングにおいては、より現代の顧客行動に即しているAISASやSIPSが利用されることも多くなりつつあります。
これら各ステージを検証することで、どこで顧客が離脱しているか、どの段階がボトルネックとなっているかを判断可能です。
後述する通り、リード顧客のスコアリングなどのAI技術がAISASモデル分析を促進しています。

●PDCA

各マーケティング戦略の実行・見直しのためのフレームワークです。
PDCAとはPlan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)を表しています。 
マーケティング領域以外でも頻出するフレーズなので、最も有名なものの一つではないでしょうか。
特に顧客関係管理(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)に有効に働くため、AIによる顧客へのメッセージングなどの施策により最適化が可能です。

最新のAIサービスがどのようにマーケティング戦略を促進するか?

近年ではAI技術がビジネスのあらゆるところで活用され始めているのは、ご存じ知の通りです。
これはマーケティング戦略立案においても例外ではありません。
以下に、いくつか具体的な活用事例をご紹介します。

●AIレコメンドを導入しユーザーニーズ改善したNetflix  

大手VODのNetflixは、ユーザーの行動を分析し、AIがパーソナライズされたオファーを出すレコメンドシステムを導入しています。
2020年7〜9月期の決算において、75%前後のコンテンツがこのレコメンドシステムから再生されたという圧倒的な実績を残しているとの発表がありました。
参考URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC193PM0Z10C21A4000000/

●ユーザーのスコアリングにより、検索結果を最適化したASKUL

ASKULはBtoBの通販サービスとして有名ですが、専門的な商材を取り扱う都合上、購入判断に必要な属性項目がどんなものかわかりにくいというネックを抱えていました。
この点に関して、重要属性スコアリングAIを導入し、購入の決め手となる属性項目をスコア化することで、より細かな検索が可能になっています。
参考URL:https://www.askul.co.jp/kaisya/dx/stories/00078.html

●ユーザーの好みにカスタマイズされたメッセージを送るAIを導入したCOACH

ハイブランドのCOACHは、ユーザーのアクティブな時間帯や過去の購買履歴などを分析し、AIが各ユーザーの嗜好に合わせたメッセージを作成して送信するAttentive AIを利用しています。
具体的な数値は明らかになっていませんが、Attentive社によると消費者1人あたりの売上高が、電子メールでのキャンペーンと比較して最大で10倍になったという効果が出ているようです。
参考URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59054510T10C20A5000000/

マーケティング戦略立案にAI技術は有効に働く

顧客満足度向上、戦略立案の効率化を目指すのであれば、AIサービスは非常に効果的に働きます。
特に大規模に展開するビジネスであれば、既にWebサイトやSNSを含め、自社コンテンツが豊富に揃っていることも多いでしょう。
自社コンテンツに導入するAIレコメンドサービスは、マーケティング戦略用途のAI技術として入門編とも言えます。
弊社で提供するレコメンドAIサービスは、顧客のスコアリングや最適なタイミングでのメッセージングにも対応しています。
企画から開発、保守に至るまで一気通貫のサポート体制が整っているので、AI導入を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

https://aicross.co.jp/aix-lab/

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