企業WEBサイトにおいて導入が進むFAQページは顧客の疑問や不明点を素早く解決する手段となります。ただし、FAQの質が高くないと逆に利用する人がストレスを溜めてしまう結果になりかねません。
この記事ではFAQサイトに掲載するコンテンツをエクセルを使って作成するためのポイントを紹介します。
【FAQサイトの概要を知る】
●FAQとは
Frequently Asked Questionsの頭文字を取ったものです。
直訳すると「頻繁に問合せを受ける質問集」となります。
コールセンターやヘルプデスクなどに入る問合せ内容で、多数の人から同じ質問を何度も受けることは双方にとって時間の無駄となります。頻繁に出てくる質問と回答を抽出して「よくある質問」「FAQ」などの表示でWEBサイトに掲載されています。
●ヘルプデスクやサポート部門の業務量を削減できるFAQの活用
FAQサイト、またはFAQテンプレートには大きく分けて2つの用途があります。
- 社内用FAQとしての活用:
WEBサイトには掲載せず、オペレーターや従業員の模範回答集として利用するケース
- お客様向けFAQサイトとしての活用:
WEBサイトの「お客様お問い合わせページ」の中でよくある質問集として掲示するケース
があります。
利用するシーンによって作成対応は多少変わりますが、「多数の人が分からないと感じる問題を解決する」目的であることは変わりません。
実際にFAQを作成する時の注意点を次に見ていきましょう。
【FAQ作成時のポイント】
●FAQの効果を上げるのにふさわしい場面を想定する
・誰向けに用意されるのか(利用対象のペルソナを設定する)
最初に「FAQを読む人は誰か」を細かく検討するようにしましょう。
例えば基本的な事で言えば
- 年齢層
- 性別
- IT知識の有無
などを押さえる必要があります。
また、IT業界や若者世代では良く知られている和製英語が年配層には認知されていないことも良くあります。
対象となる相手を想定しながら、平易な言葉や日本語に置き換えて説明する意識が大切です。
※ペルソナとは
マーケティング業界で使う用語です。
ビジネスの成功率を上げる目的で、相手に何かを発信する時に最も効果的となる層にターゲット層をしぼるため、相手の人物像を詳細に想定した上でマーケティングアプローチを行う手法を指します。大量消費時代から多種多様なニーズ時代の変化と共に重要なマーケティング手法となっています。
・場面によって必要な情報量を考慮する
大きく対顧客と社内向けに分かれると考えた場合、以下のように考えると場面に適した情報になることでしょう。
- 顧客の問合せ数削減・効率化のためのFAQ
顧客は明確な答えを求めています。文章ならば
「短文で簡潔に結論から伝える」、「簡潔な説明から図やWEBサイト誘導への展開誘導」が有益です。
- 社内における知識や情報の共有のためのFAQ
社内向けFAQは人材の育成やレベルアップのために使います。
お客様にとってすべての問合せ担当者が「エキスパート」になるための資料です。
より深い情報を身に着けるため、簡潔性より情報の濃さが求められます。
●FAQを項目別に分類する
・FAQコンテンツの作成前にカテゴリ分類と掲載順を決める
例えば、大型病院を利用したい患者さんのケースを想定してみましょう。
- 新規患者として 初診の申し込み方法/予約方法
- 継続患者として 再診予約の変更やキャンセル
- 診療費支払いの手順 診療費の支払い手段の確認
など一連のワークフローの中で想定される疑問が生まれていくことをイメージする必要があります。
事柄が時系列に表示されているとお客様、社内問わず、読む人のストレスが軽減されます。その逆で、掲載箇所がバラバラになっているとその時点で人は読みたくなくなるものです。
業務フロー順に沿ったかたちでFAQが構築されていることは分かりやすさを大きく向上させます。
・FAQコンテンツは責任者/管理者が一元管理を行うこと
FAQコンテンツは幅広く対応すべきものです。
情報の網羅性を意識する事で複数ジャンルで多くの情報が集約されます。その結果、FAQとして分かりやすく伝える効果が半減し、単なるQ&A集になってしまうことが有ります。
質問を追加する役割を持つ人は複数人いても構いません。
しかし、FAQとして全体的な整理や最適化を意識する管理者がFAQ全体のバランスを見ることが大切です。いわゆるもれなくダブりなく、の意識で整理されたFAQを目指しましょう。
この管理者制度を前提としたFAQであれば、ジャンル分けに誤りが出たり、類似の質問が並んでいて分かりにくくなったりすることを回避できるのです。
【FAQテンプレートをエクセルで作るメリット/デメリット】
本記事のテーマであるエクセルでFAQテンプレートを作成する時のポイントとしてメリットとデメリットを挙げてみましょう。
●エクセルでFAQテンプレートを作成するメリット
- ビジネスパーソンなら多くの人がエクセルの使い方を知っていて、導入準備に手間を取られない
- 複数人によるオンライン共有も近年では安価に可能で、共同編集など不便だった点が解消された
●エクセルでFAQを作成するデメリット
- 人の手による管理や変更が多いため、ヒューマンエラーが起こりやすい
- フォーマット統一の縛りがあるため、どうしても文字中心の説明になる
エクセルによるFAQテンプレート作成時のポイントを説明してきましたが、メリット/デメリット両方が存在します。ご自身がイメージされていたFAQ運用より課題点や手間がかかりそう、とお感じになられた方もいるのではないでしょうか?
エクセルテンプレートでFAQコンテンツを作成してあれば、FAQコンテンツとしての抽出は大方できていることでしょう。
その段階からFAQサイト専用システムにそのコンテンツを入れてITシステムとして利用するのも一案です。次の章ではFAQサイト作成関連ツールについて見てみましょう。
【FAQサイトシステムの利用を視野に入れるのも有益】
近年、FAQにまつわるITツールのDXは目覚ましいものがあります。
例えば
- 従来からシステムとして存在するFAQサイトを構築するITシステム
- チャットボットと呼ばれるAIを活用した自動応答システム
などが存在します。また、FAQのコンテンツ収集をAIが実現するようなシステムも登場しています。まだ市場に出て間もないシステムもあるので、導入検討に際しては上記システムのメリットデメリットをより詳しく知る必要があります。
しかし、今後のFAQ対応に大きな可能性を感じさせる展開が現在の最新状況であり、今後もその発展が期待されています。
【FAQコンテンツ自体の質を高めることがFAQサイト成功のカギ】
FAQサイトや社内共有のためにFAQコンテンツを作成時のポイントは
- FAQを利用する相手のペルソナ(詳細な人物像)を考慮して的確な質問回答を用意する
- FAQコンテンツの更新管理責任者を指定してコンテンツの質を維持する
- 顧客の行動時系列に沿った順番でFAQ情報が構成されていること
といった点があります。
FAQフォーマットを皆さんが良く利用するエクセルで作ることは、使いやすいメリットもありますが、DX化を目指すシステムとしては人が介在しすぎるデメリットも生まれます。
ここ数年著しく進化するAIなどの最新技術が、より高度で便利なソリューションを提供することも現実となりつつあります。
今後進化は続くことは確実となり、FAQサイトの新規構築/更新を検討するには良いタイミングとなります。
弊社ではAI搭載型のFAQチャットボットサービスである「QAロボット」を提供しております。
顧客満足度向上と業務効率化に向けた取り組みとして、是非ご検討ください。