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2022.6.30

【人事向け】離職理由をランキングと調査から分析!退職率を下げるには??

これまでは安定した体制だったのに、最近離職率が上がっている…。そんなことはありませんか?企業側にとっては採用コストの増加、イメージの低下等のマイナス面もあり、人事担当者にとっては悩みの種ですね。そこで本記事では離職理由ランキングと意識調査から、近年の離職理由について分析し、離職傾向の見分け方、対策について解説します。

【日本企業の平均離職率】

厚生労働省の「雇用動向調査」により平均離職率等が毎年発表されています。離職率の傾向は、ここ数年での大きな変化はありませんが、自社の状況・業態と照らし合わせて参考にしてください。

●平均離職率は15%程度で推移:ここ数年での急上昇はない

出典:「令和2年雇用動向調査結果の概要:入職率・離職率の推移」(厚生労働省)

令和2年度の離職率は14.2%でした。前年度よりやや減少していますが、離職率は近年14〜17%程度で推移しており、ここ数年で上昇している、ということはありません。

●離職率は業態によりさまざま様々:宿泊業、飲食サービス業のが離職率が高い

出典:「令和2年雇用動向調査結果の概要:産業別入職率・離職率」(厚生労働省)

業態別に見ていくと、令和2年度の離職率は、宿泊業、飲食サービス業が26.9%と最も高く、鉱業、採石業、砂利採取業等は平均よりも離職率が低いという結果になっています。遡ってみてもこの傾向に大きな変化はありません。

●新卒の離職率は3割超:特に1年目の離職率が高い

「令和2年度新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移」(厚生労働省)

ここ10年、新卒3年以内の離職率は、大卒では3割程度です。特に新卒1年目の離職率は2〜3年目に比べて高いので、離職率を下げたい場合には採用時や新規採用者に向けてのアプローチが重要とい言えます。

以上のように離職率は業態によって大きな差があり、各社の状況(ある年代層への偏りが大きく、特定の年代で離職率が上がる)等に左右されることも考慮した上で、平均離職率と比べて自社の離職率はどうなのか?を判断することが必要です。

【離職理由ランキング】

●離職率減少には離職理由の分析が必須

離職を減少させるために効果的なのが離職理由の分析です。退職者本人から聞ければベストですが、会社側に真の理由を述べているとは限りません。そこで厚生労働省の「雇用動向調査」の他、転職サイト等が実施している調査を参考とし、自社の状況と照らし合わせて推察する必要があります。離職理由ランキングの順位については調査により若干変動がありますが、挙げられている退職事由については共通しているので、ここでは厚生労働省の調査結果(令和2年度)についてランキング形式で紹介します。

出典:「令和2年雇用動向調査結果の概要:転職入職者が前職を辞めた理由別割合」(厚生労働省)

●離職理由ランキング:人間関係・労働条件・給与が3大理由

その他の事由、定年、会社都合を除いた理由を除き、男女を合算したランキングは以下の通りです。

1職場の人間関係が好ましくなかった
2労働時間、休日等の労働条件が悪かった
3給料等収入が少なかった
4会社の将来が不安だった
5能力・個性・資格を活かせなかった
5仕事の内容に興味が持てなかった

【新卒や若手社員の離職理由ランキング】

平成29年度に内閣府が実施した調査を元に新卒者の離職理由についてランキング化しました。全世代でのランキングとは若干の違いがあるので、離職率が高い新卒者に向けたアプローチを重点的に行いたい場合は参考にしてください。

出典:「平成30年版 子供・若者白書(全体版) 特集 就労等に関する若者の意識:初職の離職理由」(内閣府)※調査は平成29年度に実施

●新卒や若手社員の離職理由ランキング:「仕事が自分に合わなかったため」が最多

1仕事が自分に合わなかったため
2人間関係がよくなかったため
3労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため
4賃金がよくなかったため
5ノルマや責任が重すぎたため
6自分の技能・能力が活かせなかったため
7勤務先の会社等に将来性がないと考えたため

【多く見られる退職理由とその背景について解説】

●1.職場の人間関係

・上司、同僚、部下…関係性によっても悩みはさまざま

上司の仕事の進め方が合わない、同僚と気が合わない、部下のマネジメントがうまくいかない等、悩みはさまざまですが、人間関係を理由とした退職は全世代でも新卒者でもとても多いです。

・近年の背景、傾向:テレワーク化が人間関係にもたらす影響

テレワークが進み、人間関係での悩みが少なくなったと感じる人もいます。一方で、社内での気軽な相談や報告が困難になったと感じたり、画面を通じた情報のみによるコミュニケーションにストレスを感じたりする人もおり、プラス面にもマイナス面にも働く要素です。

●2.労働時間、休日等の労働条件が悪かった

・労働条件への不満

  • 残業時間が長い
  • サービス残業が常態化している
  • 入社時の雇用条件と異なっている

等、労働条件を理由とした退職も多く見られます。

・近年の背景、傾向:ワークライフバランスを重視する人が増えている

内閣府が平成29年度に行った、「子供・若者の意識に関する調査」によると、「仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先する」と回答した者は63.7%であり、平成23年度の調査時における52.9%よりも増加しています。

出典:「平成30年版 子供・若者白書(全体版) 特集 就労等に関する若者の意識:仕事と家庭・プライベート(私生活)とのバランス」(内閣府)※調査は平成29年度に実施

また、コロナ禍で、「働き方」を考え直す人も増え、若者に限らず社会全体としてワークライフバランスを重視する人が増加しています。

●3.給料等収入が少なかった

出典:「平成30年版 子供・若者白書(全体版) 特集 就労等に関する若者の意識:仕事をする目的(2つまで回答)」(内閣府)※調査は平成29年度に実施

平成29年度に内閣府が行った、就労等に関する若者の意識を調査した「子供・若者の意識に関する調査」によると、仕事をする目的(2つまで回答)として「収入を得るため」と回答した者が84.6%と突出して多い結果になりました。収入は仕事をする最大の目的であり、当然ながら仕事に対する不満・離職へと直結する事項です。

●4.仕事の内容が合わない

仕事内容のミスマッチは、新卒者に特に多いです。入社前に思っていた仕事と違うという理由で離職することも珍しくありません。入職者側も仕事の内容よりも条件等で就職を決定している場合もあり、一概に企業側だけの問題ではありませんが、ミスマッチをなるべく減らす努力は必要と言えます。

【離職率を下げるには?】

離職率を下げる対策の一例を紹介します。

●社内コミュニケーションの活発化

社内コミュニケーションが不十分だと、業務に支障が出るばかりか、人間関係に悩む人が増える要因にもなります。社内コミュニケーションを活性化させるためには、以下のような方法があります。

  •  社内イベントの実施
  •  社内報の発行
  •  社内SNSの活用
  •  1ON1ミーティングの実施
  •  フリーアドレス制の導入

●在宅勤務等、新しい勤務制度の導入

主に労働条件への不満を解消するための対策として、在宅勤務等の新しい勤務制度の導入が効果的です。近年の傾向からワークライフバランスを実現するための体制が整っていることが求められていると言えます。

●福利厚生の充実

給与への不満に対しては、単純に賃金を上げる、という直接的な対策も考えられますが、福利厚生を充実させることも解消につながります。
福利厚生はさまざまな種類がありますが、社食サービスは導入しやすく人気の高い福利厚生サービスです。

●評価制度の見直し

「自分は正当に評価されていない」という思いが、給料を始めとした会社への不満に繋がります。給料に不満を持つ人が多いのであれば、能力や成果を正当に評価する体制を整えていく必要があります。

●採用ターゲットの明確化、スキル等に合わせた最適配置

仕事の内容が合わない、という離職理由での対策です。採用ミスマッチは採用する側・される側、双方にとってマイナスしかないので、対策をしっかりする必要があります。

【離職前の予兆:これまでと違う行動を取り始める】

離職前に予兆を察知し、適切にコミュニケーションが取れれば、離職を防げるケースも多くあります。離職者のわかりやすい予兆としては「これまでと違う行動をとり始める」ということです。以下に挙げるような行動が見られたら、ストレスを抱えていたり、転職に向けて動き始めていたりする可能性があります。

  • 挨拶する人だったのにしなくなった
  • 愚痴を言うようになった
  • 愚痴を言っていたのに言わなくなった
  • 机がきれいになった
  • きっちり定時で上がるようになる
  • 半休などが多くなる

【まとめ:離職率を減少させるには、退職理由を知り、原因の改善を。】

離職率を減少させるには、退職理由を知り、原因の改善を行なっていく必要があります。また、離職しそうな雰囲気を察知した場合には、適切にコミュニケーションを取ることも重要です。

ただ、察知できるような予兆の頃には決意が固まっており、もう手の打ちようがない、ということも多くあります。また、誰にも相談されることもなく、察知もできず、突然退職してしまう、ということもよくある話です。

弊社のHR AIは、データに基づき、AIによって離職予測を行うことができるツールです。

感覚に頼った離職予測は大変難しいものです。離職率を下げたい場合にはぜひ是非導入をご検討ください。

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