コールセンターを持つ企業のなかには、「人手不足なのに顧客満足度の向上を求められる」というジレンマを抱えている場合も多いでしょう。
業務の一部または全部の無人化は、この課題を解決する有効な方法のひとつです。

無人化を実現する手段には「IVR」などがよく使われますが、「SMSの活用」はフレキシブルな対応と顧客満足度の向上を実現するうえで有効です。
この記事ではコールセンターの無人化とおすすめの方法について、詳しく解説します。


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【コールセンターの無人化が求められる4つの理由】

コールセンターの無人化が求められる理由は、4つに分かれます。
それぞれの理由について、詳しく解説していきましょう。

●入電の集中時に発生する「あふれ呼」に対応したい

コールセンターによっては、ある特定の時間帯に入電が集中する場合もあります。
すべてのオペレーターが対応しても電話を取り切れない状態を、「あふれ呼」と呼びます。

「あふれ呼」の状況では電話がつながりにくく、顧客の離脱や不満につながってしまいます。
2021年のコロナ禍では、ワクチン接種の電話がなかなかつながらない経験をされた方も多いでしょう。

「あふれ呼」には、発生しやすいタイミングがあります。
サラリーマンを主な対象とするサービスであれば、正午から13時までが発生しやすい時間帯となるでしょう。
また、テレビショッピングサイトの場合は、商品紹介の放送後に発生しがちです。

「あふれ呼」は顧客満足度の低下や売上の損失、電話を途中で切ってしまう「放棄呼」の増加につながります。
無人化を実施して、「電話以外の方法を自動で案内する」「折り返し電話して欲しい時間を登録してもらう」などの対応が求められています。

●24時間365日の対応をコストを大きく増やさずに行いたい

コールセンターの対応時間は、顧客の側から見ると24時間365日がベストです。
いつでも電話をかければ質問に答えてくれる環境は、大変ありがたいもの。
しかし、このような環境を整えるには、大きなコストがかかります。

ここで、10名が常時対応するコールセンターに必要な最低人員を考えてみましょう。
営業時間や営業日を増やすと、以下のとおり多くのオペレーターを確保しなければなりません。
なお、オペレーターの労働時間は、週40時間(1日8時間×5日)としました。

営業時間や営業日必要なオペレーターの数
1日8時間、平日のみ営業10名
1日16時間、365日営業28名
24時間365日営業42名

もし1日8時間・平日のみ営業のコールセンターを24時間365日営業にすると、人件費は4.2倍に跳ね上がります。
「顧客のことを考えるとやりたいが、現実的に無理」というコールセンターも、多いのではないでしょうか。

とはいえ、休日や夜間の問い合わせに対して何も行わないままでは、顧客満足度の低下につながります。
コールセンターの無人化を活用し、何らかの対応を取ることが求められます。

●オペレーターの採用が難しいうえに定着率も低い

コールセンターは顧客からのクレームを正面で受け止めなければならないことから、求職者からは避けられがちな職種です。
このため、オペレーターの採用に苦労する企業も少なくありません。

一方で、定着率も低くなっています。
以下のとおり、年間で10~20%の離職者があるという研究結果があります。

雇用形態年間の平均離職率
正社員7.7%
フルタイム有期社員12.7%
パートタイム有期社員21.3%
派遣社員18.1%

出典:前浦 穂高「類型別に見たコールセンターの離職率の分析」https://web.iss.u-tokyo.ac.jp/jinzai/16_1_4.pdf

上記の離職率は低いように見えますが、そうではありません。
たとえば、フルタイム有期社員の場合、5年後に残る従業員は半分程度。
パートタイム有期社員になると約7割が5年以内に辞める計算となります。

せっかく苦労して採用してもすぐに離職されたのでは、人材への投資も無駄になってしまいます。
ここでシステムを導入し機械化を進めれば、人手不足を解消できます。
そのぶん、採用人数は絞られるため、一人ひとりの人材に対してより濃密・高度な教育を施すことも可能になります。
やりがいや働きやすさを得られれば、離職率の低下につなげられる可能性もあります。

●賃金上昇の潮流にも対応が必要

コールセンター従業員の賃金は、年々上昇しています。
リックテレコムが公表したデータによると、全国平均の時給は以下のとおり4年間で6%上昇しました。

全国平均の時給
2016年1,214円
2020年1,285円

出典:リックテレコム「CALLCENTER JAPAN 2020年7月号 <特集> 日本中で再高騰!全国時給/月給調査2020」:https://callcenter-japan.com/magazine/4715.html

賃金をアップできないコールセンターは、人材を確保しにくくなることでしょう。
一方で、賃金をアップした場合は、人件費の増大という負担がのしかかります。
人手不足のうちに無人化を進め、人間による対応が求められる業務に人手を集中させる運営が求められます。


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【無人化は業務を限って行うだけでも効果あり】

「コールセンターの無人化」というと、オペレーターを廃止し、すべての業務を機械化することを想像してしまいがちです。
しかし、以下のとおり、一部の業務を無人化するだけでも十分な効果があります。

  • 要件の受付、および窓口の振り分け
  • FAQ(よくある質問)に対する回答
  • 電話を折り返す時間の予約
  • 電話以外の問い合わせ方法を案内

上記のとおり、さまざまな業務を無人化できることがわかります。

【コールセンターを無人化する4つのメリット】

コールセンターの無人化には、4つのメリットがあります。
どのようなメリットが得られるか、順に確認していきましょう。

●入電が集中した際も顧客への対応が可能

受付機能など一部の業務を無人化することで、あふれ呼が生じた場合でも「話し中」で回線が切られるデメリットを防げます。
入電が集中した際も、顧客への対応ができることは大きなメリットといえるでしょう。

もっとも、「お待たせ中」の音声を流したままで待たせることは、顧客の不満につながります。
代わりにSMSなど、文字を使ったやり取りへ切り替えることも、おすすめする方法のひとつになります。
折り返しの電話を希望する時間をたずねることも、よい方法に挙げられます。

●24時間365日の運用がしやすくなる

コールセンターを無人化できれば、従業員がいない時間帯でも顧客への対応が可能となります。
完全な対応はできなくても、以下の業務は実施できることでしょう。

  • FAQに対応する
  • どのような質問かを把握する
  • 折り返し希望日時をヒアリングする

これにより24時間365日の運用が可能となり、顧客満足度の向上にも役立ちます。

●限られた要員でより質の高いサービスを提供できる

コールセンターは一部を無人化しただけでも、サービスの向上に役立ちます。
それは、限られた要員で、より質の高いサービスを提供できるためです。
メリットの例を以下に挙げました。

  • よくある質問や定型的な質問に対して、オペレーターを介さず自動的に回答できる
  • オペレーターが要件をヒアリングする時間を短縮できる
  • 問い合わせの内容に対して的確に回答できるスタッフを対応者に割り当てられる

無人化で浮いた人員を、より複雑な対応に振り分けることが可能です。
質問に対してていねいに対応できるため、顧客満足度の向上につながるというメリットは見逃せません。

●人件費を節約できる

無人化により人件費を節約できる点は、多くのコールセンターがメリットとして挙げることでしょう。
すべての問い合わせにオペレーターが対応する場合、顧客数が増えると問い合わせも増え、オペレーターを増員する必要性に迫られます。
その結果、人件費も年を追うごとに増大することでしょう。

また、最低賃金が上昇を続けている時代では、賃金を上げないと必要な人員を確保できません。
このため、問い合わせが横ばいで推移する場合でも、人件費は増大します。

無人化の実現により、単純な問い合わせはオペレーターの手を介さずに解決へ導けます。
この結果、コールセンターの運営に必要な人員は減少し、人件費の節約につなげることが可能になります。

【コールセンターを無人化する4つの手段】

コールセンターを無人化する方法として、4つの手段が実用化されています。
これらの方法は、実情に応じて組み合わせることも有効だといえます。
それぞれの特徴について、詳しく解説します。

●IVR(自動音声応答システム)

IVR(自動音声応答システム)は、以下の特徴を持っています。
受付業務を代替できることがメリットに挙げられます。

  • 電話がつながった段階で、案内の音声が流れる
  • 顧客は案内に従って、該当する番号を押す
  • 顧客の選択に応じて、適切なオペレーターが対応する
  • 情報提供で済む場合は、自動音声で情報を提供する

上記に挙げる対応を体験した方も、多いことでしょう。
IVRは省人化の手段として、多くのコールセンターで使われています。
無人化の手段としては最もポピュラーなものといえるでしょう。

●チャットボット

チャットボットの活用も、無人化の有力な手段です。
この方法はWebブラウザ上でチャットの画面を表示させる方法と、LINEを活用する方法に分かれます。
それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

・Webを活用する方法

チャットボットはWebブラウザ上に、またはWebコンテンツの一部として提供することが可能です。
画面の片隅に、LINEのような会話画面が出ているサイトを見た経験をお持ちの方も多いでしょう。
文字を打ち込むことで担当者と直接会話でき、問い合わせや希望する手続きが可能です。

営業時間外などの場合は、担当者の代わりにシステムが問い合わせを受け付け、回答することも可能です。
FAQなどの定型的、または簡単な問い合わせにはシステムが回答し、それ以外の質問には人間が対応するといった使い分けも、よい使い方のひとつです。

・LINEを活用する方法

LINEアプリを活用したチャットボットの提供も、よく選ばれる方法です。
LINEを用いたチャットボットでは、以下の3種類から選べます。

  • 定型的なメッセージを返す「応答メッセージ」
  • 文章をAI(人工知能)で解釈し、適切な回答を自動的に行う「AI応答メッセージ」
  • 自社向けアプリを開発できる「Messaging API」

自社のニーズと顧客の要望に応じて、適切な選択肢を選べることがメリット。
一方で、顧客にとっては、企業のLINEアカウントを友だち登録する手間がかかります。

●AI自動応答

近年ではAI(人工知能)を活用し、顧客の話を理解して適切な応答を返すシステムも提供されています。
AIが持つ3つの技術の活用により、実用化できたサービスです。

  • 音声認識技術(相手が発した音声がなにか認識する)
  • 自然言語処理技術(話の内容を理解する)
  • 音声合成技術(回答となる文章を自然な形で読み上げる)

顧客はただ話すだけで、要件を伝えられます。
IVRのように指定したボタンを選んで押すといった手間は不要です。
また、IVRより多くの要件を処理できることも、メリットに挙げられます。

●SMS

近年ではコールセンターの無人化に、SMSも使われるようになっています。
SMSの活用により、以下の状況でも自動で顧客の電話にSMSを送信できます。

  • あふれ呼が発生した場合
  • 営業時間外の場合

また、SMS送信後のアクションとして、以下の選択肢から選べる点もメリットといえるでしょう。

  • 顧客が指定する日時に、自社から電話する(折り返しの電話を行う)
  • 要件を受け付ける
  • 電話以外のコミュニケーション手段を提示する
  • SMSでコミュニケーションを続ける
  • 必要な情報が得られるサイトを紹介する

SMSは単独で用いるのではなく、IVRなど他の手段と連携することで効果をあげる手法です。
SMSの活用により、顧客満足度を下げることなく、コールセンターの無人化を推進することが可能になります。

【コールセンターの無人化にはSMSの活用が有効】

コールセンターを無人化するならば、数ある方法のなかでもSMSの活用が有効です。
その理由は、4つに分けられます。

それぞれについて、詳しく確認していきましょう。

●電話がつながらなくても顧客とコミュニケーションが取れる

電話をかける相手は、電話での会話を控えるべき場所にいるケースも少なくありません。
代表的な例を、以下に挙げました。

  • 公共交通機関で移動中
  • 会議や打ち合わせ中
  • 会食中
  • 医療機関の院内にいる
  • 博物館や美術館など、静粛さが求められる環境にいる

上記のような場所にいない場合でも、以下に挙げるケースの場合は電話に出てもらえにくいものです。

  • 仕事に集中して取り組んでいる
  • 子どもやペットと遊んでいる
  • オフの時間を満喫している

相手が通話できない環境にいる場合でも、SMSなど文字のメッセージは確認できるケースも少なくありません。
そもそも、SMSは、電話のように両者のタイミングを合わせる必要がないコミュニケーション手段です。
手の空いたタイミングで確認してもらえるため、電話がつながらなくても顧客とコミュニケーションを取れることは大きなメリットに挙げられます。

●専用のアプリが不要

SMSは、携帯電話やスマートフォン標準の機能です。
LINEなどのメッセージアプリにありがちな、専用のアプリが必要ということはありません。
誰でも、また古い端末でも利用できることも、メリットに挙げられます。

●文字で残るため会話をした後も確認できる

SMSはメッセージの内容が文字で残るため、やり取りした内容をいつでも簡単に確認できます。
これは、文字によるコミュニケーションの大きなメリットです。

一方で、電話を使った場合、記録を残すためにはひと手間を要します。
メモに残すことは代表的な方法ですが、ペンと紙が必要になります。
音声のまま記録したい場合は、録音機材やアプリを用意しなければなりません。

SMSならば手間や追加の機材を用意する必要がなく、手軽にやり取りした内容を残せることは見逃せません。

●悪意のある人間による傍受をされにくい

SMSはインターネット回線を使ったサービスと比べて、傍受されにくいことも特徴に挙げられます。
これは、通信にあたり、電話回線など通信会社がコントロールできる部分の多さが理由です。
一方、チャットボットや電子メールはインターネット回線を活用する部分が多いため、電話回線よりも傍受されるリスクが高いことは否めません。

メッセージ送信の安全性を高めるには、キャリア直収接続のサービスをおすすめします。
キャリア直収接続では、運営会社と通信キャリアが直接回線でつながっているため、メッセージの内容が外部に漏れるリスクを減らせることがメリット。
これは通信経路の一部が海外にある「国際網接続」との大きな違いです。
キャリア直収接続ならば目的の方に対して、安心してメッセージを届けることができます。

【SMSなら「絶対リーチ!」をおすすめ】

コールセンターの無人化にSMSを活用するなら、キャリア直収接続の「絶対リーチ!」をおすすめします。
「絶対リーチ!」を選ぶことで以下のメリットを得られ、業績アップと顧客満足度の向上に貢献できます。

  • 双方向SMS」機能により、LINEのようなやり取りがSMSで可能
  • APIの活用により、IVRやCRM、コンタクトセンターシステムとの連携が可能
  • Callback予約」プランの利用で、折り返し電話の日時を顧客が指定できる
  • Call to Web」プランの利用で、Webやチャットボットに誘導できる

貴社の事情にあわせて、プランを組み合わせることも可能になります。
オペレーターをはじめとするコールセンター部門は、顧客の抱えている課題の解決に集中して取り組めるメリットを得られます。

【SMSの活用は人手不足の解決と顧客満足度の向上につながる】

コールセンターの無人化は採用難の時代にも対応でき、人手不足の解決に有効な手段です。
一方で、サービスレベルをできるだけ落とさない対応も求められます。
SMSの活用により、顧客は問い合わせがしやすくなるとともに、サービスレベルの向上も可能。
顧客満足度のアップにつながることは、大きなメリットといえるでしょう。

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