「昨今の傾向などを含めて人事管理について広く知りたい」「人事管理とはなにか改めてまとめて理解したい」などと考えていないでしょうか?
人事管理は意味が広い言葉で、どの企業でもやっていることだけに理解があいまいになりがちです。
一方で人事管理は近年ますます重視されるようになってきており、理解を深めておく重要性も増しています。
そこで今回の記事では、人事管理の定義から具体的な業務内容、そして業務効率化の方法について徹底的に解説します。
【人事管理とは人事部の業務全般のこと】
人事管理とは、人事部で行う業務全般のことです。代表的な内容としては、以下の5つが挙げられます。
●①人材の採用にまつわる業務
- 採用戦略の策定(採用マーケティング)
- 採用サイトのコンテンツ作成・管理
- 人材エージェントとのコミュニケーション
- 面接評価基準の策定
- 応募者との連絡及び面接アポイントメント管理
- 人材採用後の配属・配置の決定 等
●②従業員の労働時間管理
- 従業員の労働時間管理(就業時間・残業時間の管理)
- 休暇にまつわる制度設計 等
●③従業員の待遇・処遇・評価制度の設計・管理
報酬システム設計(職能給・年功序列制・出来高制・年俸制・退職金制度)
各従業員の賃金・報酬決定及び交渉
- 評価システムの策定・運用
- 各種手当・福利厚生制度の設計及び運用 等
●④職場環境の整備
- パワハラ・セクハラ対策
- 育休・産休等の制度設計
- 従業員の健康管理システム設計(定期検診・産業医などの配置等)
- オフィス環境の整備及び生産性向上施策 等
●⑤従業員の教育・研修
- 新卒研修・マネージャー研修などの設計・運用
- OJTシステム設計
- 資格取得等へのインセンティブ設計 等
上記はあくまでも大まかな分類であり、細分化していくと業務内容は更に多岐にわたります。たとえば雇用なら、新卒と中途採用に別れますし、異動や配置、離職防止といった業務も含まれます。また、業界や職種、企業規模によっても違いが出てきます。たとえば、安全や衛生の管理なら現場での事故防止などが必要になるでしょうし、企業規模が大きくなると労働組合対策の業務が多くなるでしょう。
【労務管理や勤怠管理との違い】
よく同一視されがちですが、労務管理や勤怠管理とは業務範囲が異なります。人事管理が重要視されている昨今、人事管理と労務管理・勤怠管理の違いを理解しておくのは重要なことです。大まかにまとめると人事管理>労務管理>勤怠管理の順番で広い概念であり、人事管理は労務管理を、労務管理は勤怠管理を含んでいます。
具体的な業務範囲は以下の表のとおりです。
人事管理 | 人材の採用からその後の処遇・管理まで全般的に管理(労務管理・勤怠管理を含む) |
労務管理 | 労働条件や労使関連を全般的に管理(勤怠管理を含む) |
勤怠管理 | 労働時間や休暇などの管理 |
【人事管理の重要性】
人事管理が重要な理由は、人事管理の対象である社員が企業活動の原動力になるためです。
中でも、優秀な人材の採用は、会社の売上・利益に大きく貢献します。例えば、リーマンショック後のUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の V字回復は「伝説のマーケター」とも表される森岡毅氏なくして起こり得なかったでしょう。彼のようなトップタレントに限らず、優秀な人材の採用は企業活動において、最も重要であるといっても過言ではありません。
しかし、優秀な人材を獲得し、社内に留まって力を最大限発揮してもらうには、それ相応の待遇や、能力を生かした配置、育成制度の充実などが必須となるでしょう。人事管理を最適化することが、人材の獲得や従業員のモチベーションや生産性向上をもたらし、最終的には売上や利益の最大化、自社のミッションの達成などを果たしていくことに繋がっていきます。
また、人事管理は変化に応じて柔軟に変えていく必要があります。
古い慣習や旧態依然とした制度のようになっていると、人材の流出や生産性の低下に繋がります。例えば、女性の社会進出によって共働き家庭が増加していることや、新型コロナウイルスの影響で人々がテレワークに慣れてきています。そのため、出社の強制があったり、育休・産休取得日数・フレックス制度などの面で遅れた制度を維持し続ければ、人材流出の要因となるでしょう。
【人事管理の課題を解説して効率アップする手段】
人事管理の課題を解決し、効率をアップするには人事管理システムを導入するのがおすすめです。
昨今はいわゆるVUCAの時代と言わるように、市場の変化が早くて先行き不透明であるため、どのような人物を採用してどう育てていけばいいのか不透明です。
一方で、生産年齢人口は減少しており、ワークライフバランスを重視する意識も高まっています。感覚的な人事管理から脱却し、人事管理業務自体の生産性も上げる必要性にかられている時代だと言えるでしょう。
そこで、企業の成長に必要なスキルの定量化や人事業務の生産性を上げられる人事管理システムの導入を検討するのがおすすめです。
ツールの一例としては、例えば弊社のHYUMAN BOXがあげられます。HYUMAN BOXは、従業員のヒューマンスキルを可視化します。それによって、人事担当者や勘や経験にだけに頼った判断ではなく、より客観的な判断を行うことができます。また、こうしたツールの活用によって、人事の属人性を下げることができ、引き継ぎが容易になったり、不当な人事を減らすことができます。
【まとめ:正確かつ効率的な人事管理で自社を持続的に成長】
企業活動は「ヒト・モノ・カネ」と言われるように、人材の獲得及び管理は企業の成長には不可欠です。もちろん、各企業担当者の方はそれを理解した上で、人事制度の改善を繰り返してきたことかと思われます。
そんな制度に更なる向上を加えるのは、やはりテクノロジーの力となるでしょう。人事管理ツールを用いて、人事担当者の勘や経験だけに依存した人材管理から脱却し、人材の更なる効果的な活用を図ることはその第一歩となるにでしょう。